寒い日々も終わり、すっかり暖かくなってきましたね。春は就職、入学、卒業、引っ越しなど人にとっても変化が多い季節です。
私たち人間も環境が変わるとストレスを感じやすくなり、新しい環境や生活パターンに慣れるまで時間がかかります。実は人と同様に、わんちゃんたちも環境やご家族の心境の変化でストレスを感じてしまうことがあります。
そんな新学期は、わんちゃんたちの心のケアを心がけてあげてほしい季節です。
■環境の変化が与える影響(犬の気持ち)
不慣れな場所を訪れたり、生活リズムが変わったり、慣れない仕事を始めると皆様はどのような変化が心身に表れますか? 不安になったり、ドキドキしたり、眠れなかったりといった変化を、誰もが一度は経験しているのではないでしょうか。
動物は私たち人間を含めて“安定=変化のないこと”を好む性質があります。変化は心身にストレス刺激となり、さまざまな影響をもたらします。
それでは環境やご家族の心境の変化は、どのような影響をわんちゃんにもたらすでしょうか?
(1)不安やいらだちといったマイナスの感情が増えて、日頃はしないいたずらや不安からくる問題行動(粗相、破壊行動、吠え)が表れる
(2)不安から飼い主への依存が高まり、甘えん坊になる
(3)お腹を壊したり食欲が減退したりする
(4)環境の変化が引きがねになり、分離不安症という心の病気を発症する
(5)小さいもの音に敏感になり神経質になる
(6)睡眠サイクルが変わる
(7)自分の手足をなめたり、あくびや体を掻いたりといった転位行動が増える
上記のような症状が現れる可能性が考えられます。私達人間も同じようなことが起こりますよね。
■新学期に注意したいこと(実践できること)
新学期の時期はご家族も落ち着きがなくなったり、お子さんに気持ちが向いてしまったりしがち。できるだけわんちゃんにストレスを与えないために、新学期が始まる1ヶ月前から、ぜひ以下のことに注意して生活をしてみてください。
(1)お子さんやお母さんが新学期の始まる前から学校生活に慣れるように、登校の道歩き通学を事前に体験してみる。学校生活が始まったと過程し起床や就寝時間を変更する
(2)わんちゃんとのコミュニケーションの質を高めて、短い時間でも気持ちを込めて遊んであげたり散歩を一緒に楽しんだりする
(3)新学期を境にお留守番の時間が長くなるようであれば、少し前からお留守番の時間を少しずつ延ばす
(4)ひとりでも退屈にならないように、わんちゃんが遊べる知育玩具を与える
(5)わんちゃんを過度に心配すると、わんちゃんもご家族の気持ちに同調して不安になります。できるだけ家族自身が変わらない気持ちで毎日わんちゃんに接してあげましょう
(6)わんちゃん用の救急バッグセットの中にも入るようになった、『レスキューレメディ』もおすすめです。レスキューレメディは、急性の心の変化を緩和してくれるスプレーです。環境に大きな変化のある1週間前から使用しましょう。著者は愛犬を動物病院で検査を受けさせるとき、ストレスを軽減のために使用しています。
■シニア犬は環境の変化が苦手
シニアのわんちゃんは特に環境の変化が苦手な傾向があり、より手厚いケアが必要となります。環境の変化が影響して発病してしまうこともあります。
シニアのわんちゃんの場合は日頃から食欲、睡眠、排泄、顔つき、運動の仕方などを観察し、少しでも「変だな?」と感じたら早めに動物病院に相談しましょう。
環境の変化は誰もが不安になりますが、1ヶ月もすれば新しい生活に慣れて新しい出会い、新し環境での生活が楽しくなります。
わんちゃんにできるだけストレスを与えないためにも、ご家族が変わらず健康で笑顔でいてほしいと思います。それが一番のストレスケアになりますよ。
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※ WilleeCole Photography, Nina Buday, Dora Zett, Anna Hoychuk / Shutterstock
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