ねこちゃんが毛布の上から“フミフミ”してきた経験はありませんか? わんにゃ365のSNSでも、フミフミ行動についての質問を多数いただきました。
そこで今回は、ねこちゃんのフミフミ行動について、質問別に獣医行動診療科認定医の白井春佳先生にお答えいただきました!
■フミフミはじめるとマウンティングがはじまる?
Question
フミフミ始めると、ゴロゴロいいながらマウンティングが開始してしまいます。純粋なフミフミ行動を希望しているのですが……。
Answers
・フミフミ行動とは?
ねこちゃんが前足を使って、モミモミする行動があります。毛布など物に対することもありますし、人に対して行動することもあります。
この行動は、母猫の母乳を吸うときの子猫時代の名残と言われています。心地よい甘えたいような時に出現する行動パターンのひとつです。
・ゴロゴロいいながらマウンティング?
ゴロゴロ言いながらフミフミしているとのことですので、ねこちゃんは非常にリラックスして満足している可能性が高いと思います。心地よい状態になって夢見心地という感じでしょうか。
マウンティングという表現だったのですが、ねこちゃんの交尾行動の場合、雌猫ちゃんの首筋をかじりながら交尾行動を示します。去勢をしていないねこちゃんのようなので、心地よさから模擬的な相手に性的行動が引出されている可能性もあるかもしれません。
マウンティングと似たような行動に“遊び行動”があります。覆いかぶさるような動作で、狩り的な動きがあります。マウンティングである場合は、去勢をすることで性的欲求を抑制することができます。
■前足をフミフミしながらスプレー行動?
Question
前足をモミモミしながら、壁に向かってスプレーしているような行動をしています。オシッコはでていないのですが……。
Answers
前述した通り、モミモミする行動は心地よいと感じているときの行動パターンになります。決まった壁にスプレーのような行動を示すとのことですが、ねこちゃんは嗅覚で安心する動物です。
自分の知っているニオイや自分のニオイがあることで、“安心印”の環境になります。毎回同じ場所にフェロモンを噴出して自分のニオイをつけることで、さらに安心感と心地よさを強くしている行動なのかもしれません。
オシッコは出ていないということでしたが、フェロモンの分泌線からニオイ物質が出ている可能性は十分考えられます。
残念ながら、フェロモンは人間が感じることができない物質になります。自分のニオイが薄くなったり、気になるニオイが付着していたりすると不安になることがあります。
このような場合、ねこちゃん専用の合成フェロモン製剤などを活用することで、マーキング行動を減少させる報告もあります。
フミフミ行動は安心している証拠になります。ねこちゃんのフミフミ行動の意味を理解して、一緒に幸せな時間を過ごしてくださいね。
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※ Borka Kiss, mik ulyannikov, Helen Liam / Shutterstock
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