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恋の道のりは長いニャ!猫の「出産と子育て」について~前編~

菊池亜都子

獣医師
菊池亜都子

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恋の道のりは長いニャ!猫の「出産と子育て」について~前編~

最近は、飼い猫、地域猫に関わらず、ねこちゃんの避妊や去勢手術が行われることが多くなりました。私たちがねこちゃんの出産や子育てに接する機会は、かなり少なくなりましたよね。

そのため、ねこちゃんの妊娠や出産、子育てについて、その実態はよく分からないという方が意外と多いようです。そこで今回は、ねこちゃんの発情から出産や子育てなどについてご紹介します。ねこちゃんのことをもっと深く知っていただければ思います。

■恋の季節が到来すると…

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出典:https://www.shutterstock.com/

野生のねこちゃんは、気候の穏やかな時期である春から夏にかけて子猫を出産し、子育てをします。ねこちゃんの妊娠期間は約2ヶ月なので、出産からその期間を差し引いた時期に交尾をするために、冬の終わりくらいから、ねこちゃんたちが恋のお相手を獲得するための“発情”の季節がやってくるのです。

ちなみに、ねこちゃんをはじめ多くの動物は、日照時間の変化を手がかりにして季節の移り変わりを知るのですが、一般の家庭で飼育されているねこちゃんの場合、夜間でも照明が当たる室内で生活しているため、その季節性は曖昧になってきています。

したがって、飼い猫の場合、発情期は季節に関係なく、年に23回訪れると言われています。

■女の子の想いに誘われて恋がスタート!

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ねこちゃんたちの恋は、はじめに女の子が発情し、それに誘われて男の子が女の子を探し求めるという流れでスタートします。発情中の女の子は、普段とは違う独特の行動をとるようになります。例えば、人間の赤ちゃんの泣き声に似ていると言われる鳴き声を発して存在をアピールしたり、頭や首を身近なものにスリスリとこすり付けたり、仰向けに寝転んでクネクネと転げまわったりして、自分のニオイをいろんなところにつけようとします。

また、かがんで腰を高くして足踏みをしたり、しっぽを左右どちらかによけて、交尾を誘うような姿勢をとったりします。このような発情行動は、一般的にペルシャなどの長毛種よりも、シャムなどの短毛種でより明瞭になります。

■時にはライバルと戦うことも…!

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女の子の発情行動に刺激を受けた男の子は、何とかその女の子を探し出して、交尾をしなければと必死に動き出します。普段はテリトリーを尊重する男の子も、この時期だけは女の子に出会うためにテリトリーを超えて、はるばる遠出することもあります。

また、ライバルの男の子をけん制するために普段よりも頻繁にいろいろな場所に尿スプレーをしたり、より高いところで爪とぎをしたりして、マーキング行動をするようになります。

発情期の間は、男の子も女の子も異性を求めることが何よりも最優先になります。つまり、自分自身が生きるために必要な食べることや眠ることを減らしてでも、相手と結ばれて自分の遺伝子を残したいという欲求が何よりも高くなるのです。

ちなみに、ねこちゃんの発情は加齢とともにその兆候が弱くなり、回数も減少していく傾向が認められています。しかし、20歳齢で妊娠した例もあり、人間と違って更年期がないと考えられています。

■恋が実り、いよいよ交尾へ

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出典:https://www.shutterstock.com/

お互いに運命の相手が見つかったら、いよいよ交尾です。1回の交尾にかかる時間はわずか数秒から10秒ほどですが、実は1回では終わりません。

交尾は、男の子が女の子の背後から首元をくわえて馬乗りになり、後ろ足を足踏みしながらペニスを挿入します。ペニスが挿入されると、女の子は悲鳴をあげながら逃げ、床を転げまわったり、相手の男の子に襲いかかったりします。そして、2030分後に再び交尾を受け入れ、これを何回か繰り返します。

ねこちゃんは交尾によって排卵する動物なので、この複数回の交尾刺激が排卵を促すのに重要だと考えられています。

ねこちゃんたちは、女の子も男の子も、自分たちの子孫を残すために、身を削るような思いをしてがんばっています。しかし、交尾が終わっても、女の子には妊娠、出産、そして子育てという大事な役割があるのです。

次回は妊娠から子猫を産み育てるまでをご紹介します。ぜひご覧くださいね!

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【参考】

※ 中尾敏彦ほか編(2012)『獣医繁殖学 第4版』文永堂出版.

【画像】

※ Lubava, andreyfotograf, Bachkova Natalia, Helen Liam, Vikafoto33 / Shutterstock

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