※2020年7月18日情報更新
わんちゃんは社会性が高く、仲間と一緒に過ごしたい欲求が高い動物です。留守番時間が長くなることで、数々の問題行動の発症率を上げると言われています。
動物愛護の先進国の傾向を参考にしながら、わんちゃんにとってよりよいお留守番の過ごし方を見直してみましょう。それでは、獣医行動診療科認定医の筆者が解説していきます。
■海外での留守番時間の法律
動物愛護の先進国である、スウェーデンとドイツの“留守番時間”の決まりごとについて紹介します。
(1)スウェーデン:6時間が限界
スウェーデンの動物保護に関する法律の詳細を担っている農業省から、飼い主向けに“犬に関する保護法について”という冊子が出ています。その中には、留守番時間の制限も記載されています。
(2)ドイツ:6時間以上はNG
10時間以上の留守番をさせると動物虐待で通報されることもあります。指導を受けても改善されない場合は、罰則があります。適切な飼育ができないと判断されると、強制的にわんちゃんは没収され、施設で保護されます。
わんちゃんが留守番をする時間は6時間が限界といえます。それ以上のお留守番は、社会性の高いわんちゃんにとっては、苦痛になることが予想されます。また、留守番させる室内の温度や居場所の大きさなどの環境や設備についての細かいルールも定められています。
■動物愛護先進国での留守番をする時の対応方法
動物愛護先進国でも、仕事などで長時間留守にする時間はあります。そのようなときに、どのような対応をしているのか5つ紹介します。日本にはまだ馴染みのない方法もありますが、参考にしながら発展していけることを期待しています。
(1)ドッグホールディング
イギリスでは、一般のお宅に犬を預けるスタイルがあります。わんちゃんが好きな人達が多数登録していますので、安心感が高いサービスのようです。
(2)ドッグデイケアセンター
わんちゃんの保育園のような場所になります。動物愛護先進国では、一般的に活用されているシステムです。
(3)ペットシッター
自宅に来てもらい、お世話をしてもらうシステムです。
(4)友人同士のネットワークを作る
友人同士のネットワークを作り、頻繁に預かり合いを行なっています。
(5)一緒に連れていく
公共交通手段、各種お店、レストラン、ホテルなど、ペット同伴で行ける場所が多いため、一緒に移動することが容易です。
わんちゃんが留守番をしなくてもよい方法を、周りの協力を活用しながら実行していることが分かります。“留守番を最小限に抑える方法”を考えてからわんちゃんとの暮らしをスタートさせることが、わんちゃんと一緒に暮らすためには必須といえます。
そして、6時間以上留守番をさせなければいけないのであれば、どのような対応をするのかを飼育前からシュミレーションし、しつけなどを行なっておくことが必要不可欠でしょう。
わんちゃんという動物は留守番が苦手な動物であることをしっかり認識してあげましょう。そして、大切な家族の一員が心身共に健康に過ごせるような対策を行なってあげてくださいね。
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【参考】
※ 動物福祉の先進国・スウェーデンの動物保護法はこんなに違う | ワンペディア
※ ドイツの犬の保護に関する法律 – JAPAN DOG RIGHTS
【画像】
※ Suti Stock Photo, Suti Stock Photo, Lizardflms / Shutterstock
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