ねこちゃんは体が身軽なため、よじ登るのが大の得意。また、前足をとても器用に使うことができます。わんちゃんの場合、イタズラをして欲しくないものを手の届かないところに片づけることで対策をすることができますが、ねこちゃんの場合はよじ登り、どんな狭いところでもすいすい入っていくので、対策にはひと工夫が必要です。今回は獣医師である筆者の経験をもとに、ねこちゃんのイタズラ防止策についてご紹介したいと思います。
■どんなイタズラをするの?対策は?
若いねこちゃんほど、活発で好奇心が旺盛のためイタズラが多くみられます。また、年齢を問わず脱走癖のあるねこちゃんは、なんとしても外にでようと網戸を破ってしまうことも。
以前、筆者が診たねこちゃんの症例では、生後5ヶ月の男の子2頭の兄弟ねこちゃんをご家族として迎えた初日から、ソファに穴をあけて中に潜り込んだり、台所にある食べ物を棚を自ら開けて食べてしまったり、夜中に2頭で運動会が始まってしまったりと、ご家族が眠れない日々が続いて困りはてていらっしゃいました。
それでは、ねこちゃんによく見られるイタズラと、飼い主さんができる対策をご紹介します。
■よじ登る、脱走する
ねこちゃんが高いところに登るのは、本能的な行動です。カーテンや網戸などに爪をひっかけて登ります。カーテンがビリビリになってしまったり、網戸が破れてしまうと脱走の原因にもなってしまいます。
【対策】
ねこちゃんの好むキャットタワーを窓越しに配置してあげましょう。ねこちゃんは日の当たるところ、風が通る場所が大好きです。ねこちゃんの好む高いスペースを作ってあげることが大切です。また、網戸はよじ登っても破れないような強度の高い網戸『ペットディフェンス』に張り替えることもおすすめです。または、『網戸のいたずら防止ガード用フェンス』を取り付けてみるのも効果的です。
■爪をとぐ
ねこちゃんはストレスを解消したり、自分のにおいをつけたり、爪を整えたりするために、日常的に爪とぎを行います。ねこちゃんがイタズラしては困るものに触ったときのご家族の反応がたまたま面白くみえ、その後ご家族の気を引くためにわざと困るところで爪をとぐことも見られます。
【対策】
ねこちゃんが好んで爪をといでいるものよりも、もっと魅力的な爪とぎを探してあげましょう。爪とぎの好みはさまざま。材質、配置場所、サイズなど、あなたのねこちゃんはどのようなものが好きですか? 筆者のおすすめは、『ごろん猫の爪とぎ』のような全身で遊べる爪とぎです。
また、どうしても壁で爪をといでしまう場合は、『爪ひっかき保護シート』のような壁に貼る保護シートを活用してみましょう。
■破壊する、落とす、食べる
ねこちゃんにとって興味のあるものは触れてみたくなります。手でパシパシと叩いて上からものを落としたり、食べ物であれば中身を出そうと破壊することもあります。以前筆者が勤務している動物病院で飼われているねこちゃんが、検査機器の上に登りスタッフが置き忘れた飲み物をこぼしてしまったことがありました。幸い機器には影響がなかったのですが、床一面にコーヒーがこぼれ大変なことになりました。
【対策】
基本的には触れてほしくないものは手の届かないところに置くことが最善策ですが、水槽など動かす事が難しいものに触れないようにするには『ココストップ』がおすすめです。モーションセンサーが作動して、触れてはいけない場所に近づくと警告音やスプレーが噴射されます。
ドアや引き戸、押し入れなどを開けられて困る場合は『オッポスライドロック』、ドアノブには『オッポドアロック』のようなドアロックの使用も検討してみてください。
ねこちゃんの困った行動を改善するには、叱ることは逆効果となる感じがします。ねこちゃんが喜んで愛用してくれる爪とぎや、キャットタワーはどのようなものか? と私たちが探してあげることが一番の対策です。また、正しい爪とぎで爪をといだり、キャットタワーに登っているときはぜひ言葉で「いい子だね」と褒めてあげてくださいね。安全にねこちゃんとインドアライフを楽しむために、グッズを導入するなどしてちょっとした工夫をぜひ行ってみてください。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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