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【獣医師執筆】トイプーはとってもコミュニケーション上手♡獣医師から見たトイプードルの魅力

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】トイプーはとってもコミュニケーション上手♡獣医師から見たトイプードルの魅力

小型犬の中でも手足がスラリと長く、クルッとした毛が特徴のトイプードル。今回はトイプードルの、獣医師から見た犬種としての魅力や特徴、そして気になる健康面についてご紹介します。

■抜け毛が少なく、人と生活しやすい犬種

トイプーはとってもコミュニケーション上手♡獣医師から見たトイプードルの魅力
出典:https://www.shutterstock.com/

トイプードルの特徴として、まず第一にさまざまな毛色があることが挙げられます。一般社団法人ジャパンケネルクラブ(以下、JKC)では、「きれいな一色毛であることを理想とし、ブラック、ホワイト、ブルー、グレー、ブラウン、アプリコット、クリーム、シルバー、シルバー・ベージュ、レッドなどがあり、同色内の濃淡がある。カフェ・オ・レ色はブラウン系色の中に含まれる」とされています。ドッグランなどでトイプードルが一堂に集まると、とても華やかに見えますよね。

また、被毛については「シングルコート」のため、抜け毛が少ないという特徴もあります。犬の被毛は、「ダブルコート」と「シングルコート」があり、ダブルコートを持つ犬は、春と秋に換毛期を迎え、夏毛や冬毛に生え変わりますが、トイプードルのようなシングルコートの犬は、生え変わりがありません。抜け毛が少ないため、室内での生活において管理が楽ではありますが、その一方で、カールしている毛が伸び続けますので、日々のブラッシングと定期的なトリミングが必須になります。トリミングも、毛色と同じようにさまざまなスタイルがあり、それを楽しむのもトイプードルと生活する楽しみの一つと言えます。

 

■トイプードルはコミュニケーション上手

トイプーはとってもコミュニケーション上手♡獣医師から見たトイプードルの魅力
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トイプードルは、日本ではここ10年以上、人気犬種としてランクインしています。そのため、実際に動物病院でもトイプードルをたくさん診察させていただいています。その中で思うのは、やはり人と同じでトイプードルといっても「一頭一頭、性格が違うなあ」ということです。ただ、概して人とのコミュニケーションを取るのは上手な犬種だという印象があります。

一般的には、非常にお利口でしつけもしやすく、犬同士のコミュニケーションも上手だと言われています。もちろん、犬の性格は犬種による影響だけでなく、日常生活やしつけトレーニングの方法によっても大きな影響を受けますので、日ごろからお互いにストレスの少ないコミュニケーションをとってあげることが大切です。

■気をつけたいトイプードルの病気

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動物病院でよく見るトイプードルの病気には、「膝蓋骨脱臼」「股関節異形成症」「外耳炎」「皮膚炎」「歯周病」等があります。これらの病気は、初期段階では非常に気付きづらいため注意が必要です。可能であれば、定期的に動物病院でチェックしてもらうようにしましょう。

また、これは病気ではありませんが、非常に活発なトイプードルは、「橈尺骨骨折」という前肢の骨折も多く、特に1歳未満の若い犬に見られます。筆者個人の印象では、抱っこから落としたりするだけでなく、ソファの乗り降りや、フローリングなどの滑る場所で走り回ったりと、日常生活の中でアクシデントから多く見られる印象です。

さらに最近では肥満も多く見られます。肥満は心臓や関節、皮膚の病気などのリスクを高めますし、近年では肥満自体を「肥満症」という病気として考えるようになっています。犬の肥満はほとんどが飼い主さんの管理によって予防できますので、ぜひ日ごろから注意してあげたいところです。

■ティーカッププードルについて

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最近、「ティーカッププードル」という言葉をよく聞きます。ティーカッププードルとは、トイプードルをさらに小型にしたプードルのことを指すようですが、実はJKCなどでは正式な犬種と認められていません。見た目は小さく愛らしいのですが、実は無理な繁殖などが原因で、さまざまな病気が見られることが多いと言われており、問題視されています。

日本では残念ながら、未だに犬の健康よりも見た目を優先させた繁殖がまだ見られると感じています。犬も人も幸せに暮らすためには、やはり犬の健康を考えた繁殖ができるよう、無理な繁殖を良しとする風潮を助長しないようにしましょう。

トイプードルは、さまざまなバリエーションの毛色、カットスタイルがあり、日本では非常に人気の高い犬種です。性格も一般的にはコミュニケーション上手で、もちろんしつけトレーニングは必要ですが、比較的人と暮らしやすい犬種と言えます。その一方で、トイプードルによく見られる病気もありますので、早期発見のためにも定期的な健康チェックを行うようにしましょう。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

※ プードル | 一般社団法人 ジャパンケネルクラブ

【画像】

※ Anastasiia Vasenina,OH_HO,Tatiane Silva,Susan Schmitz,Te9l / Shutterstock

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