フィラリア症とは別名「犬糸状虫症」とも言われ、蚊が媒介する感染症です。
犬が蚊に刺された後に、体の中の皮下組織や筋組織で成長しながら、最終的に心臓の肺動脈に寄生します。その後、成虫となり6-9ヶ月でミクロフィラリアという子虫を産みます。
この子虫を蚊が吸うことで感染が広がっていくことになります。
大量に感染した場合や、長期的に寄生している場合に心臓への障害が生じ、最悪死にいたる病気です。また、肺動脈以外に寄生してしまうと、重篤になることもあります。
■フィラリア症の症状
・初期は無症状のことが多い。
・長期的になるにつれ咳、呼吸が早くなる、呼吸が苦しくなる、運動をしたがらない、倒れる、お腹が膨らみ腹水たまる。
・肺動脈以外に寄生した場合には、可視粘膜が白くなる、元気がなく力が入らない、尿に血が混ざるなどがある。
■フィラリア症の検査
(1)身体検査
感染後には心臓へ負担がかかり雑音が聞こえる。また進行すると、肝臓が腫大、頸静脈が強く拍動し、腹水によりお腹が膨らんでるように見える。
(2)成虫抗原検査
無症状の犬には早期発見が必要であることや、投薬の副作用が内容に血液検査を行い、感染していないかどうかを判断する。
(3)レントゲン検査
軽度の症例では明らかな異常がみられない。進行することで、肺動脈が切り詰められた像や拡張などが見られる。また、心臓が拡大する。さらには肝臓や脾臓などが拡大する。
(4)心エコー検査
肺動脈もしくは右心系にフィラリアがいるかどうか、寄生数の評価を行う。また、進行したことで、肺高血圧症など心臓への負荷の評価を行う。
■フィラリア症の治療と予防方法
感染している場合は、寄生数や重症度により治療法が異なります。
治療方法
■成虫駆除療法
内服薬を組み合わせることで、成虫を徐々に駆除していく治療法です。
■右心房にフィラリがいる場合:外科的に摘出することも考慮する。
■ 進行した場合:心臓のケアが必要であり、心臓薬を考慮する。
予防方法
地域差はあるが、蚊が発生した月から蚊がいなくなった次の月まで投与を行う。
予防薬は飲み薬、首の毛をかき分けて付ける外用薬、注射タイプなどがあるため、かかりつけ医の先生と相談しながら決めましょう。年中予防をしてない場合は、血液検査を行い、寄生してないことを確認後投薬を開始しましょう。
※注意
予防薬と言っていますが、薬を飲めば1ヶ月効果があるという訳ではありません。
フィラリア予防薬と言われるものは、蚊に刺されフィラリアに感染してしまっている場合に、成長する前に駆除する薬を指します。ですので、蚊がいなくなった次の月に飲ませることがとても重要と言えます。
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