【獣医師執筆】冬の乾燥…犬にベストな湿度は何％？犬に配慮した加湿器の使い方｜記事｜わんにゃ365

【獣医師執筆】冬の乾燥…犬にベストな湿度は何％？犬に配慮した加湿器の使い方

獣医師
船田治子

皆さんは、ご自宅でどんな暖房器具をお使いですか？　エアコンや電気ストーブは便利で使いやすく、空気を汚しませんので、多くの方々が利用されていることと思います。しかし、使用中は空気が乾燥しすぎる傾向がありますよね。その対策として、加湿器を併用する場合の、犬への配慮するべきことや注意点についてお話します。

■冬の室内で犬にとって快適な温度・湿度

冬の乾燥…犬にベストな湿度は何％？犬に配慮した加湿器の使い方 — 出典：https://www.shutterstock.com/

犬種や年齢にもよりますが、一般的には室内の温度は22～23℃、湿度は50～60%くらいにするといいでしょう。子犬、高齢犬や病気で体力が衰えている犬は暖かめにしてみましょう。湿度については、被毛や皮膚、肉球の乾燥状態なども見て下さい。犬の居場所に温度・湿度計を設置して、犬の様子を見ながら温度・湿度を調節できるといいですね。

■「湿度」が犬に与える影響

・湿度が低すぎる場合

空気が乾燥すると、ウイルスの感染力が上がると言われています。また、呼吸器の粘膜が乾燥すると免疫機能が低下することもあり、感染を受けやすくなります。呼吸器系の疾患をもつ場合は、咳がひどくなるなど、症状が悪化するかもしれません。その他、皮膚の潤いが減ることで、皮膚トラブルを起こすこともあります。

・湿度が高すぎる場合

湿度が高いと室内にカビが増殖しやすくなります。その結果、犬の呼吸器や皮膚にカビの感染症やアレルギー症状をおこすことがあります。

■加湿器使用時の注意点

・加湿器の手入れをきちんと行う

タンクの水に微生物（細菌、カビ類）が混入して繁殖すると、微生物が霧状の水と共に室内に拡散してしまうかもしれません。加湿器の使用説明書に従って、タンク、フィルター、トレーなどの手入れを怠らないようにしましょう。熱源を使用しないタイプの加湿器は、特に注意が必要です。

・アロマオイルの使用は慎重に

アロマオイルを入れて使用できる加湿器もあります。人は、好きな香りを楽しめますよね。しかし、嗅覚の優れた犬にとって香りが強すぎるかもしれませんし、好む香りかどうか分かりにくいと思います。ラベンダーが犬に対してリラクゼーション効果があるなどの報告もありますが（※1）、さまざまなアロマオイルが犬にとっての安全かどうかの証明はされていません。アロマオイルを使用したい場合は、種類や濃度などを専門家に相談してみましょう。