春はわんちゃんの予防シーズンです。狂犬病や混合ワクチンの予防接種、ノミマダニ予防(駆除)、フィラリア予防と、春に予防開始される飼い主さんが多いのではないでしょうか?
狂犬病以外は飼い主の任意で行うものですが、混合ワクチンは「注射済証」がないと利用ができない施設があるので、ほとんどのわんちゃんが接種されていることかと思います。今回は混合ワクチンの接種前に気を付けるポイントや、知って得するポイントをご紹介します。
混合ワクチンって?
「ワクチン接種」とは、予防したい病気の病原体を弱毒化や不活化(死滅)にして体に入れることです。体が一時的に病気にかかった状態(発症しない程度)になることで、体内で抗体がつくられます。この抗体が、のちに本当の病原体が体内に侵入してきたときに、体を守り病気の重症化を防ぐ働きをします。
■午前中の接種がおすすめ
午前中に接種するメリットは、もし午後にアレルギー反応(副作用)があった場合、20時頃まで診察をしている動物病院が多いため、すぐに処置ができることです。午後に接種する場合は、夜間動物病院の診療時間や場所を確認しておきましょう。また、ステロイド薬などの頓服薬を処方してもらうなど、自宅で対応ができるような準備をしておくと安心ですね。アレルギー反応は体調の悪い時に起こりやすいです。接種日の朝はいつもと変わった様子がないかよく観察し、異常があれば無理な接種は控え、治療を優先しましょう。
■接種後、数日は安静に
激しい運動や興奮など体のストレスになるようなことは、接種後数日(2~7日くらい)は控えることをおすすめします。
・ワクチン接種日は、1日一緒に自宅でゆっくり過ごせる日を選ぶ
・トリミングは接種前に済ませておく
・散歩では距離を短くする、走ることを控える、抱っこして外へ行く など
■アレルギー反応(副作用)に注意
急性のアレルギー反応「アナフィラキシーショック」は、接種後1時間以内に起こることが多いです。全身の蕁麻疹や咽頭粘膜の腫れによる呼吸困難、激しい嘔吐や腹痛、血圧低下、虚脱など様々な症状がみられ、数分のうちに死に至ることもあり、迅速な処置が重要になります。接種後30分~1時間ほどは病院の近くで過ごし、わんちゃんの様子を見ることをおすすめします。
皮膚症状(顔全体・目の周り・口の腫れ、発疹、蕁麻疹、痒みなど)は24時間以内、消化器系(嘔吐、吐き気、食欲低下、下痢など)はそれ以降に症状がみられることが多く、日本では小型犬、特にミニチュアダックスフンドにアレルギー反応が出やすいそうです。
以前の接種後にアレルギー反応があった場合は、接種前に以下など検討し、獣医師に相談してみてください。
・ワクチンの種類を引き下げる(例:7種→5種)
・ワクチンの製造メーカーを変える
・先に抗体検査をする
・接種前に抗ヒスタミン薬など投与する
■狂犬病と混合ワクチンの同日接種はできません
病院が苦手なわんちゃんを連れて行くのは、わんちゃんや飼い主さんにとってストレスになりますよね。一度の来院で複数のことが済むと、何度も行く手間が減ります。
春の予防シーズンは「予防薬のシーズンまとめ買い割引」「混合ワクチンや検査を一緒にすると割引」など、様々なキャンペーンが動物病院ごとにあったり、検査機関でも健康診断の割引キャンペーンをしていたりと、春はお得な期間のようです。血液検査をご希望の際には、約12時間の絶食(朝食抜き)が必要ですので、お気をつけくださいね。
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接種後の注射部位は揉まず、そのままにしておきましょう。ワクチンは効果を長い期間持続させるために、ゆっくり吸収されることが大切です。
混合ワクチンで予防できる病気の治療費は保険適用外の場合が多く、感染すると料金面での負担も大きくなります。また、感染率が高く重症化すると死亡率も高いため予防がとても重要です。今回ご紹介したワクチン接種の前後に気を付けるポイントをしっかり理解して、新年度の予防をはじめてください。
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