春は愛猫と一緒に、引越を予定している方が多いですよね。「移動は大丈夫かな?」「新しいお家に馴れてくれるのか心配……」色々な不安が頭をよぎると思います。
ねこちゃんの引越しで大切なポイントを、獣医行動診療科認定医の筆者がご紹介いたします!
■環境変化が苦手な動物
ねこちゃんは環境の変化が苦手な動物です。ねこちゃんの脳は、状況に応じて臨機応変に変更するための働きをする脳の部分が、わんちゃんの半分ほどと言われています。人と比較すると1/10の大きさです。
これだけが要因ではないですが、変化があることは苦手なんだと理解した上で準備することが必要です。
■引越しの前にできる事
引越し前にできる準備について4つお伝えします。ねこちゃんのストレスを軽減するためには、事前準備がとっても重要です。日頃から“ごっご遊び”をしておくことは、とても有効と言えるでしょう。
(1)キャリーバッグの練習
安心で安全な寝床(シェルター)を、日頃から教えておきましょう。引越しだけでなく、ペットホテルや入院で役立つこともあります。
移動できる安全で安心なお家を作っておくことは有効です。
(2)移動の練習
子猫であれば、移動手段に馴らしておくという練習が有効です。自家用車であれば練習もしやすいでしょう。
1日1回、車内で遊んだりおやつを食べたりするだけでも学習効果はあります。大人のねこちゃんでも、キャリーバッグの練習ができれば、車の練習もスムーズになるはずです。
エンジンのかかっていない車内で、楽しい経験をすることから初めてみてください。無理強いはしないでくださいね。少しずつ楽しく経験させてあげてください。
(3)引越し先の環境整備
ねこちゃんは嗅覚が敏感な動物です。“ニオイ”を整えておくことは重要なキーワードです。具体的には“いつものニオイ”が多く漂っているように準備しましょう。
いつも使っている毛布やアイテムなどを早めに移動させておき、自宅のニオイを作っておくことが有効です。
ねこちゃん用の合成フェロモン製剤を使うことで、よりリラックス効果を作れる場合もあります。
(4)性格に合わせた対応方法を検討
環境変化に敏感に反応しやすい、過剰に怖がりであるなどの場合は、獣医師と相談してお薬を併用することも方法のひとうです。強いストレス状況が続くことで、心だけでなく身体的に悪影響となることも多いからです。
抗不安作用が期待できるお薬を使いながら、新しい環境に心の負担を少なくしながら適応していくことができます。
■引越し後にできること
“安心できる場所”を確保してあげてください。その場所では家族がバタバタと動き回ったり、騒音がしたりしないような場所が望ましいでしょう。
ねこちゃんのペースで環境に適応できるように見守ってあげてください。
準備期間をしっかり作ることができればできるほど、ねこちゃんへの負担が減ると思います。
バタバタ人の出入りや引越し作業などの環境は苦手な子が多いので、綺麗に整っているホテルの一室ように準備されたお部屋を作ってから、受け入れてあげるようにしてみてくださいね。
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