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悲しい気持ち…どうすればいいの?今から知っておきたい「ペットロス」について

マルヤマミエコ

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マルヤマミエコ

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悲しい気持ち…どうすればいいの?今から知っておきたい「ペットロス」について

家族同様に共に暮らしてきた犬や猫とも、やがては別れのときが訪れます。愛すべき存在を失った喪失感は、計り知れないものがあるでしょう。そのときは悲しくても、徐々に気持ちを整えて回復していければよいですが、なかには悲しみの症状が長く続くケースもあるのです。

犬や猫との死別による深い落ち込みで立ち直れなくなるペットロス状態、具体的にはどのような症状が現れるのか、また、ペットロスの対処法についてなど、『日本ペットロス協会』代表・吉田千史さんにお話を伺いました。

■ペットロスの症状は幅広く現われる

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出典:https://www.shutterstock.com/

ペットを失うと、人は深く悲しみます。しかし、それ以外にもさまざまな症状があり、人によって現れる症状が異なるのです。ペットロスの症状は“心理・認知的、身体・行動的、社会・環境的、スピリチュアル的”の、4つに分けることができます。

(1)心理・認知的

深い悲しみや後悔、抑うつ気分、無力感、償いの念、思考力や集中力の低下。家族や友人、ペット葬儀者、カウンセラーをスケープゴートにして敵意を持つ。ペットの理想化などが起こります。

(2)身体・行動的

疲労や脱力感、動悸、息切れ、呼吸促迫、不眠、知覚過敏などが起こります。また、行動に落ち着きがなくなったり、以前はしなかったようなケアレスミスを多発したりする人もいます。

(3)社会・環境的

勤労意欲や学習意欲の低下、社会的引きこもり、亡くしたペットの痕跡を探す、ペットの思い出の品の保持、ペットの死を連想する場所を避ける。また、なかには他人の言葉に傷つくケースもあります。

(4)スピリチュアル的

前世で悪いことをしたからペットが亡くなった、自分の行いによって罰が当たりペットが亡くなった、ペットがいなくなって生きる意味がないなどと考えるようになります。

症状の現れ方は人それぞれ違いますが、ペットを亡くして哀しみ落ち込むのは、自然な反応です。これらの症状を抑え込もうとすることは、“正常な悲哀過程の妨げ”になるので、気をつけましょう。また、周囲も「ペットが死んだくらいで……」などという反応をするのではなく、回復するまで優しく見守ってあげてください。

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出典:日本ペットロス協会

ペットを亡くした人がいたら、お悔やみの言葉を添えて“お悔やみカード”を送ってはいかがでしょうか。飼い主さんの気持ちにそっと寄り添うお悔やみカード(ペットロス対処法4か条入り)は、ペットロス協会で手に入れることができます。

■ペットロスにならないためには準備が大事

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自分は重いペットロスにならないと思っている飼い主さんもいるかもしれませんが、こればかりは分かりません。ペットロスになってから対応するのは難しいので、愛犬や愛猫が元気なうちから、ペットロスの予防策を整えておいてください。ここでは4つの予防策を紹介します。

(1)前もってペットの死と向き合っておく

いくら動物医療が進歩したからといって、犬や猫の寿命は人間より短いものです。いずれ別れの時が訪れることを認識し、終末ケアの方法や、ペット霊園についても調べておきましょう。

(2)ペットに依存しすぎないこと

ペット中心のライフスタイルを送っている人、もしくは、ペットを献身的にサポートすることで自分自身を支えている人は、ペットが亡くなると生きる目的を見失ってしまうことも……。そうならないためにも、常に程よい距離感を持って生活しましょう。

(3)ペット仲間を作っておこう

ペットが亡くなった時の悲しみや苦しみを理解して、共有することができるので、いわゆる“犬友達”や“猫友達”などを作っておくことをおすすめします。互いに支え合うことで、ペットロスを乗り越えられるケースもあります。

(4)ペットロスの知識で不安を減らそう

「ペットが亡くなって10日経っても悲しみが癒えない」、もしくは「ペットが亡くなって悲しいだけでなく、怒りの感情がこみ上げてきた」という人がいます。どちらも、ペットロスの症状として表れるものなので、不安に感じる必要はありません。余計な不安に陥らないためにも、ペットロスの正しい知識を持っておきましょう。

伴侶動物との別れを考える“ペットロス検定”(※)を受けて理解を深めておくのも、良い方法です。特に、ペット関連の仕事をしている方は、取得しておいてほしい資格です。

※ ペットロス検定・・・ペットとの別れに関する知識や考えを問う検定。誰でも受験可能。自宅で受験できる。問い合わせは日本ペットロス協会まで。

■ペットロスになりやすい人とそうでない人の違い

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ペットロスは、根が真面目、几帳面、熱中しやすい、責任感が強いなどの性格の人がなりやすいと言われています。このように、理想や目標が高い人は、一般的な別れに弱く、それを克服するのが得意ではありません。また、悲嘆感情の抑圧や抑制をしやすい傾向にあるので、悲しみが長引いてしまいます。

以前のペットロスが解決していないままの人、近親者の死、失恋、離婚などの喪失体験が解決しないでいる人は症状が重くなるでしょう。

また、ペットの死に限らず、死自体に対して極端な恐れを持っている人は、強くタブー視する傾向にあるので、ペットロスがこじれやすいです。そのような人の場合は、ペットが元気なうちであっても、ペットの死や別れについての話はしたがりません。

ペットを優先する生活を送り、ペットを溺愛している人は、ペットに対して愛情過多になっています。また、ペットに依存している、もしくは、自分とペットと同一化している場合も、ペットを失ったときの喪失感はかなり深いものになるでしょう。

■ペットロス対処法

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ペットと別れの時が訪れたら、どのように過ごすのがよいのでしょうか。続いては、立ち直るための対処法について紹介します。

(1)悲しみを素直に出す

悲しみの感情をうまく解放できないと、ペットロスがこじれる可能性があります。悲しむことは悲嘆の症状であるとともに、自らを深く癒す行為です。無理に悲しみを深く押さえ込まず、思い切り泣いて素直に気持ちを吐き出しましょう。

(2)がんばって立ち直ろうとしない

家族内でも、悲しみの度合いに違いはあるものです。しばらくすると回復に差が出てきます。だからといって無理して立ち直ったように見せると、心身共に疲れ、余計に落ち込むこともあります。大きな仕事は避け、ゆっくり悲嘆と向き合いましょう。

(3)軽い作業をしながら過ごす

何もせずにいると、悲しみがストレスとなるのでよくありません。ペットの写真の整理をする、ペットの絵を描く、ペットに手紙を書く、ペットのお墓参りに出かけるなど、少し体を動かしながら過ごしましょう。

(4)心無い言葉は受け流す

「たかがペットが亡くなったくらいで会社や学校を休むのはおかしい」「亡くなったなら次のペットを飼えばいい」などの、心無い言葉を掛けてくる人がいるかもしれません。しかし、一切気にする必要はありません。受け流しましょう。

(5)話を聞いてもらう

ペットを失った悲しい気持ちを一人で抱え込まずに、同じような経験を持つ分かり合える人に、辛い気持ちやペットの想い出話しを聞いてもらいましょう。心の整理ができ、ペットの死を徐々に受け入れて生活できるようになっていきます。

しかし、すべての人が分かってくれるわけではありません。家族や親友、ペット仲間にも分かってもらえず、ペットロスから立ち直ることができないときは、ペットロス・カウンセラーに頼るのもよいと思います。

ペットロスは特別なことではなく、程度の違いがあっても、誰もが経験します。重くなると、回復までに何年もの月日を要することも……。もし、ペットロスになったら、自分一人で抱え込まず、カウンセリングなどの相談窓口を利用するようにしましょうね。

<取材協力>

rs_吉田先生(ペットロス協会).jpg

日本ペットロス協会代表 吉田千史(よしだちふみ)

麻布獣医科大学(現・麻布大学獣医学部)卒。駒澤大学大学院心理学博士課程修了。獣医師、元大学講師。日本初のペットロス・カウンセラーとして活動。ペットロス・カウンセリング相談「ペットロス110番」を行っている。ペットロス・パラ(準)カウンセラー養成講座、ペットロス・カウンセラー養成講座、動物医療パラ(準)カウンセラー養成講座を開講中。日本ペットロス協会HP:http://www5d.biglobe.ne.jp/~petloss/

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※ 日本ペットロス協会

※ zoff, polkadot_photo, ANURAK PONGPATIMET, Pressmaster / Shutterstock

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