みなさんは、愛犬が自分の手元から逃げてしまった経験はありますか? 筆者の友人のわんちゃんが昨年、長野でレジャーを楽しんでいるときに、花火の音にびっくりし、リードを付けたまま数日行方不明になってしまいました。
幸いにも山の中で見つかりましたが、探している間、わんちゃんもご家族も心細かったのではと思います。では、脱走してしまうわんちゃんたちには、どのような性格やクセがあるでしょうか? 今回は“脱走癖”に注目してお話したいと思います。
■脱走してしまう犬の特徴について

筆者は昔「わんちゃんは逃げるもの」と教えてもらったことがあります。その当時は、「ちゃんとトレーニングをして、信頼関係があれば逃げない」と心で思っていました。しかし今は、「悪い条件が重なればわんちゃんは逃げる」という経験を、仕事を通じて何度もしています。
それでは、どのような子がどのような状況で脱走する可能性が高いのでしょうか?
(1)音に恐怖心を持っている
わんちゃんたちは私たちより聴覚がすぐれています。花火、雷、雨の音、運動会のピストルの音などに過敏に反応し、パニックになる子がいます。生まれもって臆病な子が恐怖を抱くこともありますが、年を重ね、あるときを境に音に恐怖を感じるようになることもあります。パニックになった子たちは、家族の声も耳に入らなくなり、急に走り出してしまうかもしれません。
(2)狩猟本能が高い
狩猟犬種であるテリア、スパニエル、日本犬、ハウンドなどは動くものを追うという習性を強く持っています。動くものをみたら追うという行動は本能行動のため、しつけがきちんとされている子でも鳥、兎、ねずみなど小動物を見たら追いかける事があります。
(3)飼育環境に逃げることができるチャンスがある
屋外で飼育されているわんちゃんは首輪が緩い、リードを噛み切る、柵を越えたり柵の隙間から脱出したりするなど、脱走する可能性が高くなります。一度脱走し、楽しい経験をすると再び脱走を試みるようになります。
室内で飼育をしていても、扉が開いたとき、窓の隙間などから逃げてしまうこともあります。好奇心が強く、活発でお散歩が好きな子ほど、ひとりで脱走してしまう可能性が高くなります。
(4)散歩中に逃げてしまう
意外に多いのが散歩中に逃げてしまうケースです。散歩をしていてリードが手から離れてしまった、首輪が緩くて抜けてしまった、車から降ろそうとしたら愛犬が飛び出して逃げてしまったなどです。
(5)男の子の放浪癖
男の子のわんちゃんでも未去勢の場合、発情をしている女の子のニオイに誘われて脱走を試みようとする傾向があります。
■脱走をさせないための予防と対策について

(1)「おいで」を練習しよう!
愛犬が万が一家族から離れてしまっても、きちんと呼び戻しができるように日々「待て、おいで」などの練習をしておくとよいでしょう。著者は屋外でのトレーニングレッスンメニューには、呼び戻す練習を必ず入れています。
習慣が定着すると、とっさのときに家族も「おいで」と号令をかけることができるようになりますし、愛犬もその言葉に反応できるようになります。
(2)首輪やネームプレートを忘れずに!
脱走してしまった際のために、首輪に鑑札やネームプレートを装着しておくと良いです。また首輪のサイズを見直したり、散歩時はリードと首輪をダブルで装着させたりすると安心。車に乗せるときは安全対策としてクレートにわんちゃんを入れてあげましょう。
(3)玄関にはゲートをつけよう!
脱走した経験がある子は特に注意が必要です。脱走できない環境を今一度見直しましょう。玄間にはゲートを設けると安心です。
脱走はわんちゃんにとってたいへん危険な行為になります。ケガをしたり、長く放浪すると、ウイルス、細菌、寄生虫などに感染したりしてしまうことがあります。また、持病を抱えている子は投薬が途切れてしまうと病気が悪化してしまうこともあります。
日頃から愛犬に適度な運動と遊びを与え、ストレスのない、楽しく安心できる環境を提供してあげてくださいね。
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※ Ammit Jack, Jan Dix, supercat / Shutterstock
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