以前は、休暇の際にわんちゃんをサロンや動物病院に預ける飼い主さんが多くいらっしゃった印象ですが、最近ではわんちゃんも一緒にお泊りやおでかけをする方が増えているようです。しかし、わんちゃんが車嫌いだと、せっかくのお出かけの楽しさも減ってしまうことも。
以前、筆者と暮らしていた保護犬の"ちび”は車に乗るのが大好きで、車を見ると自分から積極的に飛び乗るのですが、車のエンジンをかけるとだんだんと顔つきが変わり、下を向き気分が悪そうなしぐさを始めました。私たちに苦手なものがありその理由があるように、わんちゃんにも車が苦手な理由がさまざまにあると感じます。
今回は、筆者が考えるわんちゃんが車が苦手な理由と、苦手を克服するアイデアについてお話したいと思います。
■理由1:エンジン音や振動が怖いから

筆者の愛犬ちびのように車に乗るときは嬉しそう、ひとたびエンジンをかけたら具合が悪くなるタイプのわんちゃんに考えられる理由としては、車に乗ることに対しては嫌がらないが、車の匂い、エンジンの音、振動などが嫌いまたは怖いというものです。
対処法
まずどのようなタイミングで、わんちゃんが"嬉しい状態”から、"気分が悪い状態”になるかを見極めることが大切です。エンジンの音に対して怖いまたは振動が不快だと感じる場合は、エンジン音や振動を聞いたときにわんちゃんが楽しいと感じることをリンクさせて、怖いものではないと時間をかけて教えていきます。たとえば、"エンジンの音を出す”ときに、"おやつをあたえて褒める”などをしてあげましょう。
■理由2:車内の匂いが苦手だから

わんちゃんは嗅覚がとても優れているため、車内の芳香剤やたばこ、洗い立ての車内のシートやクッションなどに使用した柔軟剤などの匂いには注意が必要です。
対処法
わんちゃんと共有する車内などのスペースでは、できるだけ香りの強いものは使わないようにしましょう。
■理由3:車に酔ってしまうから

人が乗り物酔いをするのと同じ原理で、わんちゃんたちも気分が悪くなることがあります。体の器官がまだ完全に発達していない子犬は、よく車に酔ってしまう傾向があるように感じます。
対処法
わんちゃんが車に乗っている間は、できるだけ進行方向を向けるようにケージやクレートの配置を考慮してみましょう。筆者はよく車酔い防止として、精油のペパーミント、グレープフルーツ(オレンジでもよい)を各1滴ずつ1枚のティッシュに垂らし、車上するおよそ10分前に精油が染みたティッシュを車内に配置しています。これらの香りは酔い止めとしてよく活用されているようです。筆者の行うしつけ教室のパピークラスに来院するとき、酔って吐いてしてしまうわんちゃんにおすすめしています(ただし、いかなる場合でもわんちゃんに対して安全性が確認されているものを使用してください。また、当然のことながら効果には個体差があります)。
■理由4:車に乗ること自体が苦手になっているから

車に乗ったときに嫌な経験をしたことで、車上すること自体が苦手になっているわんちゃんもいます。
対処法
車に乗るとき、高い頻度でわんちゃんの苦手な場所(トリミングサロン、動物病院など)に行っているのならば、車に乗ることでそのあと楽しいことが起こることを再学習させてあげることをおすすめします。また、車の中でわんちゃんがハッピーでいられるように、車に慣れるまでご家族がわんちゃんのそばで明るく声をかけたり、好きなおやつをあげたりすることも試してみてはいかがでしょうか。
わんちゃんにとっても車内の居心地の良さは、クレートやゲージのサイズや素材でも左右される場合もあります。わんちゃんにとって苦手な刺激がある場合は、時間をかけてゆっくりと慣らしてあげてくださいね。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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