わんちゃんと一緒に暮らすということは、大切な命を預かるということです。わんちゃんの健やかな成長のために基礎知識を正しく知ることが大切です。そこで、今回はわんちゃんと暮らしたい方が知っておきたい基礎知識をご紹介します。
■犬の体の働き
・耳
聴力は人の2倍~4倍ともいわれていて、また耳を動かして音源の方向を探ることもできます。わんちゃんの聴力は人よりも優れており、1km以上離れた距離の音を聞くことが可能といわれています。
・目
わんちゃんの視力は人に例えると約0.2の近視で、遠くのものにピントを合わせることが苦手です。色の識別についても人とは異なり、黄色と青色とその中間色以外は識別ができないため、人のように鮮やかな世界が見えているわけではありません。ただし、動体視力は優れていて動くものには敏感に反応します。また、暗闇での視力も人よりも発達していて、少しの光でも見ることができます。
・鼻
人の1000倍〜1億倍ともいわれているわんちゃんの嗅覚。人は、主に視覚から情報を得て生活をしていますが、わんちゃんは情報の約4割を嗅覚から得ているといわれています。そのため、わんちゃんの挨拶では、お互いの匂いを嗅いで、情報を確認しあっているのです。
・歯
もともと肉食動物なので、歯は噛むというより食物を噛み切るようになっています。歯の数は、乳歯が28本、永久歯が42本あります。乳歯のうち、切歯と犬歯は生後約3~4週齢目から、前臼歯は4週齢目から生えはじめ、12週齢目までには、28本が全部生えそろいます。
・味覚
舌の上には、味覚を感じ取る「味蕾細胞」(みらいさいぼう)があり、わんちゃんも人もこの細胞で味の判別をしています。
人の味蕾細胞の数は1万個近くあるとされるのに対して、わんちゃんの味蕾細胞の数は2千個程度と、約5分の1程度しかありません。そのため、人と比べると味の感じ方や感じる味の種類などが異なります。
・被毛
体を覆っている毛のことを言います。夏場は暑さを軽減するために毛は抜け、冬場は寒さに耐えるために毛が生えてきます。人が服をきて体温を調節するようにわんちゃんも同じ役割があります。また、わんちゃんの皮膚は薄いので被毛がないと外からの刺激を直接受けるので体を守るなどの役割もあります。
被毛が一重構造になっているものをシングルコートといい、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート) の二重構造になっているダブルコートといいます。
■犬のライフサイクル
わんちゃんは妊娠してから約9週間で誕生し、生後3週間で目が開くようになります。生後6週間で乳歯が生えそろい離乳を開始します。この頃のわんちゃんには1日3~4回に分けてドライフードをお湯でふやかして与えましょう。
生後3ヵ月になるとドライフードをそのまま食べることができるようになります。生後4ヵ月になると永久歯が生えはじめ生後6ヵ月には永久歯に生え変わり産毛が成犬の毛に変わります。生後6ヵ月のわんちゃんは人でいうと11歳になります。1歳になると人でいう18歳になり成犬となります。
■予防接種について
わんちゃんのワクチンにはその接種が法律により義務付けられているものと義務付けられていないものがあります。
狂犬病予防法により、狂犬病のみ年1回の接種が義務付けられています。時期は特定されていませんが、子犬を飼い始めてから年1回の頻度で、動物病院にて、または自治体主催の集合注射(主に4月に行われる)に参加して接種しましょう。
わんちゃんも人と同じように感染症になる事があり、症状の出にくいものから愛犬を苦しめたり死に至らしめてしまうものまで、さまざまな種類の感染症が存在します。
感染の恐れがあり特に気を付けたい感染症については予防ワクチンが開発されていますので、可能な限り予防接種を受けさせてあげるようにしましょう。
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