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犬や猫も「5月病」になる?実態について動物行動学の専門家が解説

獣医師
菊池亜都子

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犬や猫も「5月病」になる?実態について動物行動学の専門家が解説

新年度の4月といえば、入学や就職、転職、異動、一人暮らしなど、新しい生活がスタートする時期ですね。期待に胸をふくらませ、やる気に満ち溢れて4月を迎える人も多いでしょう。

そんな中、よく耳にするのが“5月病”という言葉です。私たち人間の間では、5月病という状態に陥ることは決して珍しいことではありませんが、果たして、わんちゃんやねこちゃんも、5月病になることはあるのでしょうか?

■「5月病」は人間だけに使われる言葉

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出典:https://www.shutterstock.com/

春に生活環境が大きく変わるという人は多いですが、新しい環境にうまく馴染めず、強いストレスを感じてしまう人もいます。

その状態のままゴールデンウィークという長い休みを迎え、そこで今までの体や心の疲れが一気に噴き出てしまい、休みが明けても学校や職場に行く気が起きなくなり、うつ病に似た症状に陥ってしまうのが、5月病と呼ばれるものです。

わんちゃんやねこちゃんには、入学や就職、転職といったイベントはありませんし、ゴールデンウィーク自体も関係ありません。「がんばって学校に行かなきゃ」などと思うこともないでしょう。

したがって、私たち人間で使われる5月病という言葉は、わんちゃんやねこちゃんには当てはまらないと考えていいでしょう。

■「5月病」に関連した症状はあるかも?

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そもそも5月病は、新しい生活がスタートする、つまり今までの生活パターンや生活環境が大きく変わることがきっかけとなります。わんちゃんやねこちゃんも、飼い主さんの生活が大きく変わることで、今までの生活に変化が生じます。

例えば、引っ越しをした、入学や就職などで家族構成が変わった、留守番時間が長くなった(あるいは、留守番したことがなかったのに突然留守番をすることになった)、散歩や遊びの時間が極端に減ったなどが考えられます。

さらに、飼い主さんの生活が変わること以外にも、新しい動物が家族に加わった、ねこちゃんの場合は、野良猫生活から完全室内飼育の生活に変わったなどによっても、わんちゃんやねこちゃんの生活は劇的に変化することになります。

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そんな生活の変化は、知らぬ間にわんちゃんやねこちゃんに大きなストレスを与えているのかもしれません。そして、元気がなくなる、食欲が落ちる、下痢をする、トイレ以外の場所で排泄をする、留守番ができなくなる、唸る、吠えるなど、ストレスや不安からさまざまな症状が現れることがあります。

さらに悪化すると、自身の毛をむしったり、皮膚が荒れるほど舐め続けたり、尻尾を追いかけて傷つける自傷行動や攻撃行動などが見られることもあります。

■飼い主さんが気をつけてあげること

わんちゃんやねこちゃんは、直接気持ちを伝えることができません。そして、生活のちょっとした変化にとても敏感です。家の中の模様替えをするだけでも、ストレスを感じてしまう子もいると言われています。生活パターンや環境の変化については、飼い主さんとしてどうしても避けられないこともあるでしょう。

そういった時こそ、今まで以上にストレスや不安を与えないような努力は必要かもしれません。例えば、散歩に連れて行く、一緒に遊ぶといった時間はできるかぎり取るようにして、エネルギーを発散させてあげましょう。また、留守番が必要になったなら、いきなりさせるのではなく、前もって留守番の練習をしておくとよいでしょう。

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そして大事なことは、飼い主さんにとって望ましくない行動をとってしまったときに、決して叱らないことです。叱られたわんちゃんやねこちゃんは、何を叱られているのか分からないまま、余計にストレスを抱え、ますます不安が増してしまいます。

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普段から、わんちゃんやねこちゃんの様子をよく観察しておくことが大切です。特に、生活パターンが変わったときには、いつもと変わった様子は見られないかどうか注意してあげてください。これは深刻かもと思ったときには、そのまま放置せずに、行動治療専門の獣医師などに相談されるといいでしょう。

新しいスタートを迎える際には、わんちゃんやねこちゃんに与える影響も十分に考えてあげてくださいね。

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