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ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~

吉本翔

獣医師
吉本翔

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ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~

コンピューターが登場してから何十年も経っていますが、コンピューター技術は今もなお目まぐるしいスピードで発展を遂げています。最近では、人工知能(AI;Artificial Intelligence)の時代となりつつあり、様々なサービスにAI技術が取り入れられ始めていますね。

今回ご紹介する内容は、皆さんの愛犬の顔を“他の動物の顔”にできるコンピューター技術についてです。この技術を利用すると、愛犬の顔が他の犬種の顔や、トラやライオンなど他の動物の顔にすることができるのです。

■コンピューターの強みと人間の強み

コンピューターは、計算などの処理が大得意です。処理のスピードや正確性は人間を凌駕しています。一方、人間は、新しいアイデアを生み出し、既存にないものを創り出すことができます。人間の脳は神秘的なもので、コンピューターが人間の脳を越えることは難しいと考えられてきました。

■人間は一般化する能力に長けている

人間の優れた能力の一つに、物事を“一般化できること”が挙げられます。一般化とは、特殊な物事から、普遍的な法則や概念などを引き出すことです。少し分かりにくいと思うので、具体例を挙げてみようと思います。

たとえば、下の写真の動物を見てみましょう。この動物を知っている方はあまり多くはないでしょう。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:https://www.shutterstock.com/

この動物は「リカオン」と呼ばれるイヌ科に属する動物で、アフリカ大陸に生息する動物です。それでは、このリカオンの写真から、この子が寝ている様子や牙を剥きだしている状態を想像してみてください。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:https://www.shutterstock.com/

イメージできましたか?

こちらが、リカオンの寝ている写真です。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:https://www.shutterstock.com/

続いて、リカオンが牙を剥きだしている写真です。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:https://www.shutterstock.com/

どうでしょうか? おそらく多くの方は、イメージと大きく変わらなかったと思います。リカオンを見たことがない方でも、難なく寝ているときの様子や牙を剥きだしているときの様子を想像できたのではないでしょうか?

実はこのような能力は、人間が長けている能力の一つであるといわれています。皆さんが今まで見てきた他の動物の寝ているときの様子や牙を剥いているときの様子をもとに、初めて見る動物の様々な状態をイメージすることができるのです。

一方、このような物事を一般化する能力は、人間の得意分野であり、コンピューターで再現することは難しいとされてきました。

■愛犬の顔を他の動物の顔にできる最先端技術が開発!

近年、ある動物の顔の写真を、他の動物の顔に変換するコンピューター技術が開発されました。早速ですが、どんな技術なのかを実際に体験してみましょう。

こちらに1枚のかわいいパグの写真があります。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:https://www.shutterstock.com/

このように顔に該当する部分を囲って、変換すると……。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:https://www.shutterstock.com/

な、なんと! 以下のようにパグの顔が他の犬種や他の動物の顔に変換されました。

ペットが他の動物になったらどんな顔?最先端のコンピューター技術を用いたサービスを紹介~犬編~
出典:わんにゃ365

全体的に元々のパグの顔の雰囲気に近いですよね。なかには似ていないものもあるような気がしますが……(笑)。 一見、簡単そうに見えますが、非常に複雑なアルゴリズムによってパグの顔をいろいろな動物の顔に変換しているようです。人間の脳では、このような変換を比較的容易にできるかもしれませんが、コンピューターで再現するのは簡単ではありません。

ちなみにこのコンピューター技術を用いて、愛犬の顔の写真を他の動物に変換してみたい方は、こちらのページから是非トライしてみてください! 全部英語で書かれていますが、使い方が動画で解説されてあります。

メインページ:https://nvlabs.github.io/FUNIT/index.html

デモのページ:http://nvidia-research-mingyuliu.com/petswap

解説動画:https://youtu.be/JTu-U0C4xEU

今回は、皆さんの愛犬の顔の写真を用いて、他の動物の顔の写真に変換する技術についてご紹介しました。クオリティはまだまだかもしれませんが、内容はとても面白いですよね!

人間の脳からしたら比較的容易であることも、コンピューターではまだまだ難しいこともあります。しかしながら、コンピューター技術は、これからも発展し続けるでしょうし、人間の脳のような作業ができる日もいつか来るかもしれませんね。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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