「大好きなわんちゃんがいる環境で仕事ができたら!」……そんな憧れを抱いたことがある愛犬家は多いはず。愛くるしい瞳に見つめられながら仕事ができたら、出勤するのが楽しみになりそうですよね。
そんな夢を現実にすると一体どんな幸せを体感できるのか、今回は実際に“犬社員”がいる企業に、わんちゃんと働く感想を伺いました!
■社員犬制度を導入して約30年!「日本オラクル株式会社」
米国オラクル・コーポレーションの日本法人として、1985年に設立された日本オラクル株式会社はクラウドサービスやソフトウェア・ハードウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育の事業を展開中。1991年から「社員犬制度」を導入した企業としても有名です。
社員犬制度を導入することになったのは、当時の社長さんがオフィス環境への想い入れが強かったことがきっかけ。「わんちゃんを飼うことで社員にとっての癒やしになるのでは」と考え、湾岸戦争当時のブッシュ米国大統領執務室から飛び出すわんちゃんや、ミュージカル『アニー』で本物のわんちゃんが舞台に立っていることに感心し、社員犬制度を設けることになりました。
社員犬というと、オフィスで育てられているイメージがあるかもしれませんが、日本オラクル株式会社では、社員犬となったわんちゃんは毎週1回、決まった曜日にオフィスへ出社。
「オフィスでわんちゃんを飼うことは、わんちゃんにとって大きなストレスになると思います。弊社のようなビルに入っているオフィスの設備では、空調や床などわんちゃんにとっていい環境ではありませんし、面倒を見るため従業員にオフィスで寝食をさせるわけにもいきません。
導入目的に加え、わんちゃんにとっても一番よい環境を考慮すると、社員犬制度として週数回の定期的な出社と必要に応じて臨時出社をしてもらうのがよい形であると思っています」
そんな"犬愛”が強い日本オラクル株式会社で、現在社員犬を務めているのはオールドイングランドシープドッグのキャンディちゃん(女の子・9歳)。
4代目の社員犬となるキャンディちゃんは、出勤日以外は社員犬寮で過ごしており、毎週水曜日になると青山オフィスへ、隔週金曜日には赤坂オフィスに出社。
出社後は社員さんたちがいる執務フロアを回り、癒しを提供。その後は受付フロアでお客さんを迎えたり会議室へ挨拶したりし、記念撮影にも対応。社内でのキャンペーン活動や、日本オラクル株式会社の社会貢献活動や広報活動がある場合は活動のマスコットとして、地域住民やファンと交流。社員犬制度は企業とお客様を結ぶ架け橋にもなっているようです。
「お客様や外部の方とも当たり前のように、よくキャンディの話をします。キャンディには私たちも毎回癒やしてもらっていますが、社外にも多くのファンがいます。そうした現状を知ると、社員犬制度が日本オラクルのユニークな制度のひとつとして広く知られていることを改めて実感します」
IT業界は変化と競争が激しく、革新的、創造的なアイデアで市場に新しいものを常に提案していかなければならない分野。そのためには社員がリフレッシュでき、創造力が高められるようなオフィス環境が必要なのだそう。そうした面でも、癒しを与えてくれるキャンディちゃんは無くてはならない存在となっています。
4代目まで続いている社員犬制度を維持していくには、もちろん大変な部分もあるそうですが、日本オラクル株式会社ではこの制度を維持できるよう努力しています。
「弊社の社員犬はこれまでオールドイングランドシープドッグの犬種で4代目まで一貫しています。個体の選考はとても大事なこと。社員犬は、現在サポートしていただいている会社から紹介してもらっています。わんちゃんの生涯を通し、会社として制度を確立するためにはサポート会社やスタッフの協力を得たり、しつけと手入れが出来る環境を設けたりすることが必要だと思っています」
社員犬制度をいち早く確立させたオラクル株式会社は、わんちゃんの気持ちを配慮しながら、人もわんちゃんも幸せになれるオフィス作りに取り組んでいる優しい企業なのです。
<企業情報>
日本オラクル株式会社
HP:https://www.oracle.com/jp/corporate/
■人が動物と共に生きる社会をつくる「株式会社シロップ」
2015年に設立された株式会社シロップは「人が動物と共に生きる社会をつくる」をミッションに掲げ、ペット関連サービスを展開している企業。
飼い主さまとペットの暮らしを豊かにするペットライフウェブメディア「ペトこと」や、保護犬・保護猫と飼いたい人のマッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」、愛犬のための高級オーダーメイドフレッシュドッグフード「PETOKOTO FOODS」などのサービスを提供しています。
創業期のオフィスが代表・大久保さんの自宅を兼ねていたため、常にオフィスにいた代表の愛犬コルクくん(コーギー)は自然と社員犬に。現在はコルクくんのほかに、保護団体から迎えたはなちゃん(チワワ)や、ペットショップから引き取ったハチくん(チワワ)とおこげくん(コーギー)も社員犬として出社。職場には社員さんも自由に愛犬を連れ、出社できるのだとか。
社内では人もわんちゃんも安全かつ快適でいるため、ドッグトレーナーの方と相談し、ルールを設けているよう。たとえば、執務室ではリードでつないで飼い主の足元で過ごすのがルール。飼い主さんの判断でフリータイムを設けて他の社員に遊んでもらったり、テラスをドッグラン代わりにしたりしています。
また、スタッフ全員がわんちゃんのことを大切に考えているため、愛犬が体調不良だった場合はミーティングをリスケしたりリモート参加に変更したりすることも可能。そんな安心できる環境の中で犬社員たちはお昼過ぎくらいになると、お昼寝タイムを満喫。その寝顔は仕事で疲れた社員さんたちを癒しています。そして、就業後は、犬社員は散歩がてら自宅へ歩いて帰ったり、通勤ラッシュを避けるため社員と一緒にオフィスに泊まったりしているそう。
「オフィスにわんちゃんがいると、とても良い気分転換になると感じています。仕事で少し煮詰まった時やフリータイムにわんちゃんに触れると癒やし効果はもちろん、“この子のためにできることってなんだろう……”と仕事へのモチベーションが高まります。一般的な職場とは違い、愛犬と一緒に過ごすことができるので、今頃うちの子が何をしているのか、体調を崩していないかなど心配しなくてもよくなります」
わんちゃんといることで得られる日々の気付きが、ペット企業としてのコンテンツ制作やサービス開発に活かされている。――そう感じている株式会社シロップは滑りにくい床や調湿・消臭機能のある壁、防音効果のある天井などを取り入れ、ペットフレンドリーなオフィスになっています。現在は、キャットウォークを設置した猫専用部屋も設け、社員が保護している猫たちが社内で過ごしながら新しい家族を探しているのだそう。
ペット事業に携わる企業だからこそ、人も動物も過ごしやすい工夫をオフィスに取り入れている株式会社シロップには、今日も穏やかな雰囲気が漂い、笑顔が溢れていることでしょう。
<企業情報>
株式会社シロップ
今回ご紹介した2社は、どちらも犬目線に立ちながら、わんちゃんを社員として大切にしています。職場の緊張した雰囲気を和ませ、癒しと新しいアイデアを与えてくれるわんちゃんは大事な社員のひとり。そんな風に動物の命を考えられる企業が少しずつ増えていくと、動物後進国である日本も変わっていけるような気がします。
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【画像】
※ 日本オラクル株式会社
※ 株式会社シロップ
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