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【獣医師執筆】暴れて病院に連れていけない…どうしたら?犬が緊張しているときに落ち着かせるコツ

白井春佳

獣医師
白井春佳

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【獣医師執筆】暴れて病院に連れていけない…どうしたら?犬が緊張しているときに落ち着かせるコツ

あなたのわんちゃんは、動物病院やトリミングサロンは好きですか? 「大好き!」とお答えになった場合、愛犬はとっても幸せ度が高く過ごせると思います。「大嫌い」「苦手」とお答えになった飼い主さん、今からでも遅くありません! 筆者の動物病院に通院されているわんちゃんの中には、10歳を超えてから動物病院の診察やトリミングがスムーズにできるようになった子もいます。

動物病院やトリミングサロンは、犬の人生において避けては通れない場所です。大嫌い、苦手……そんな思いのまま過ごし続けるなんて、わんちゃんにとっても本当に辛いことだと思います。実際に経験し快方へ向かった症例を、獣医行動診療科認定医の筆者が紹介したいと思います。

■すべてのトリミングサロンから断られた犬

暴れて病院に連れていけない…どうしたら?犬が緊張しているときに落ち着かせるコツ
出典:https://www.shutterstock.com/

フランちゃん(仮名)は柴犬の男の子です。噛みつき行動が強く、トリミングサロン3件から断られてしまいました。途方にくれた飼い主さんは、行動診療科を受診されました。

フランちゃんはトリミングだけではなく、ご家族にも噛みつく行動があり、時には大怪我をさせたこともありました。診察の結果、恐怖から攻撃行動を示していたと診断されました。怖いという気持ちを改善させる治療計画を立てながら、不安を軽減させるためのお薬も使いました。そして、安全のための口輪やエリザベスカラーを楽しく装着するための練習も開始しました。

数か月が経過し、少しずつ落ち着いてきたフランちゃん。約1年後には、口輪やエリザベスカラーを装着し、オヤツを食べながら作業ができるようになりました。その後も治療と練習を継続してくださり、年々上達しています! 最近は、ご自宅でシャンプーも少しずつできるようになっています。フランちゃんとご家族が楽しみながら頑張ってくださっている成果だと感じています。素晴らしいことですね。

■ご自宅でできる練習紹介

初めてのトリミングサロンで、突然知らない人に触れられたり毛を切られたりという経験は、わんちゃんによってはとてもびっくりしてしまい、トリミングサロンが怖いところという認識に繋がってしまう可能性もあります。「楽しい!」「嬉しい!」というポジティブなイメージに結びつけられるようにすることがとても重要ではないでしょうか。

ご自宅でできる対策として、たとえば「まねっこゲーム」を行うのはいかがでしょうか。「真剣に」「楽しく」がポイントです。当院のYouTubeでもご紹介していますので、楽しく行ってみてください。動画で紹介されているのは、口輪やエリザベスカラーに初挑戦の13歳のわんちゃんです。ご参考にご覧になってくださいね。症例の内容は一部省略してお伝えしております。

今回、動画でできるしつけをご紹介しましたが、あくまでも一例となります。今回の改善方法はすべてのわんちゃんに適応するわけではありません。攻撃行動がすでにある、既往症があるなどの場合には、専門家に相談しながらしつけを進めてくださいね。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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