※2021年3月24日情報更新
みなさんは、わんちゃんが夜、なかなか寝ついてくれずに困ったことはありませんか? そんなときは、わんちゃんの睡眠について理解することで、改善できるかもしれません。
そこで今回は、わんちゃんの睡眠に関する基礎知識と、寝かしつける方法について、獣医師の船田治子先生に解説いただきました!
■わんちゃんの睡眠について
(1)睡眠時間
わんちゃんは短時間の睡眠を繰り返して過ごします。成犬の睡眠時間は1日12~15時間ですが、子犬やシニア犬ではもっと長くなります。
(2)寝すがた
わんちゃんはいろいろな格好で寝ますよね。あお向けや、長々と体を伸ばしているときは、安心して眠っています。寒いときは体を丸め、暑いときは体を伸ばして寝る姿もよく見られます。
飼い主さんの体に寄り添ったり、クッションやぬいぐるみに寄りかかったりして寝るのも、わんちゃんが好きな姿勢です。
(3)寝ごと・夢
わんちゃんの睡眠にもレム期(浅い睡眠)とノンレム期(深い睡眠)があります。全睡眠の8割がレム期睡眠であり、直ぐに目を覚ませる状態です。
このときに、わんちゃんが小さな声で寝ごとのように吠えたり、前掻き運動をしたりしていれば、夢を見ていると考えられます。
(4)病気
人の睡眠にかかわる病気として知られる“ナルコレプシー”は脳神経系の疾患で、わんちゃんにも発症することがあります。食事中や遊んでいる最中に、突然眠ったり虚脱状態になったりするなどの症状に気付いたら、早めに動物病院で受診しましょう。
認知症のあるシニア犬では、昼夜逆転が起きることもあります。対処法については、かかりつけの獣医師に相談してみましょう。
■寝かしつける方法について
(1)安心のできる場所
一番おすすめできるのは、サークルの中にクレートを入れて、わんちゃんの寝場所にすることです。わんちゃんは本来、狭い穴にもぐることで安心します。昼夜にかかわらず、安心して眠れる場所が必要です。
リビングルームなどで自由に寝かせる場合は、周囲の安全確認が重要です。テーブルの上にあるものを飲み込んだり、ゴミ箱をひっくり返したりすることがないようにしてください。なるべく一部屋限定で、キッチンには入れないようにしましょう。
飼い主さんと一緒に寝かせることは、あまりおすすめしません。理由はずっと一緒に寝る覚悟が必要なこと、飼い主さんがいなければ眠れずに、分離不安症を起こすかもしれないことなどです。
どうしても飼い主さんの近くでないと安心できないわんちゃんは、寝室の飼い主さんの足元にサークルを置き、クレートやドーム型の寝場所で寝かせましょう。馴れたら別の部屋でもひとりで寝られるようになるでしょう。
(2)おもちゃ
夜中に目を覚ましたわんちゃんが、退屈で飼い主さんを呼ぶことがないように、ひとりでかじって遊べるようなおもちゃを用意しておきましょう。
(3)ラジオ
ひとりでなかなか寝つけないわんちゃんには、ラジオを聞かせることも効果的であると、筆者は多くのわんちゃんで経験しています。ただし騒々しい番組は避け、穏やかな語り口の番組を選んでくださいね。
(4)散歩と遊び
日中の十分な散歩や遊びも大切です。わんちゃんに適度な疲労感と満足感があれば、夜は眠くなるでしょう。
わんちゃんは、生活リズムを飼い主さんのリズムに合わせることができます。しかし、健康的に過ごすためには、十分な睡眠が必要です。また、わんちゃんが寝ついてくれないと、飼い主さんが睡眠不足になってしまいますね。
お互いのためでもありますから、夜はわんちゃんが眠りに入りやすい環境を整えてあげましょうね。
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【参考】
※ ブルース・フォーグル(2007)『新版 あなたのイヌがわかる本』ダイヤモンド社.
※ 水越美奈監修(2013)『イヌの心理学 愛犬の気持ちがもっとわかる!』西東社.
※ 田中茂雄総監修(2011)『犬の医学』時事通信社.
【画像】
※ Patryk Kosmider, poutnik, Milles Studio, Dorottya Mathe, Scorpp, / Shutterstock
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