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【獣医師執筆】一人暮らしで猫は飼える?猫と暮らしたい方に確認してほしいお部屋作り7つのポイント

ホリスティック獣医Sara

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【獣医師執筆】一人暮らしで猫は飼える?猫と暮らしたい方に確認してほしいお部屋作り7つのポイント

これからお引越しシーズンですね! 一人暮らしでねこちゃんを飼うことを検討されている方も多いのではと思います。ねこちゃんを迎え、1人と1匹の暮らしがもっと楽しくなるようにするには、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか?

ねこちゃんが安心して落ち着ける空間をつくるポイントについて、獣医師である筆者の考えをお伝えしていきます!

■ひとり暮らしで気をつけるべき7つのポイント

一人暮らしで猫は飼える?猫と暮らしたい方に確認してほしいお部屋作り7つのポイント
出典:https://www.shutterstock.com/

ひとり暮らしの飼い主さんがねこちゃんを迎える上で、気をつけるべきチェック項目を以下に挙げました。ぜひチェックしてみましょう!

(1)留守番時間は長すぎず、毎日遊んであげられる?

(2)キャットタワーや家具の上など、高くて登れる場所はある?

(3)さまざまな種類(羽つき・レーザーポイント・ボール等)のおもちゃは揃っている?

(4)食事やトイレは静かな場所に置くことができる?

(5)箱や寝床など、ねこちゃんが隠れられる場所はある?

(6)爪とぎは水平型と垂直型の両方置いてある?

(7)窓から外を眺められる環境になっている?

ねこちゃんの飼い主さん候補の方には、全ての項目に当てはまることが理想です。お留守番をよくするねこちゃんにとって1番問題となりやすいのは、寂しいという気持ちよりも本能が満たされない環境や退屈によるストレスです。わんちゃんと違い、ねこちゃんは元々群れをつくらず単独で生きていける動物なので、独りになってもそれほど寂しさを感じません。

そのため留守番時間が長くなると、寂しさというよりも退屈によって問題が起きることのほうが多いと言われています。毎日遊び生活にメリハリをつけるなど、とにかく退屈させないような工夫をしていきましょう。

■ひとり暮らしで起こる問題は?

一人暮らしで猫は飼える?猫と暮らしたい方に確認してほしいお部屋作り7つのポイント
出典:https://www.shutterstock.com/

たとえば、留守番時間が長い日が続くと、毎日が単調になることで退屈しやすくなり、飼い主さんが家に帰ってきてから興奮がおさまらず走り回ったり夜鳴きしたりすることがよくあります。

そのほか、家具を引っ掻いたり飼い主さんを噛んだり、あちこちでオシッコするようになったり、過剰にグルーミングを行い脱毛してしまったりなど、こういった問題というのは決して稀ではありません。

一緒に過ごす時間ではよく遊んであげるようにし、適度に運動させることもストレス発散に役立てられます。あまり遊ばないとおっしゃる飼い主さんもいらっしゃるのですが、ねこちゃんによって音に反応しやすい子や光に反応しやすい子など何に反応するかはさまざまなので、できるだけねこちゃんの好みを把握し、さまざまな種類のおもちゃを用意してあげることが大切です。

 

■猫が「安心して落ち着ける環境づくり」

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各動物が肉体的・精神的に必要としている環境を与える目的で行われる、動物固有の正常な行動を増やすための工夫のことを『環境エンリッチメント』と言われています(※1)。

室内で飼われているねこちゃんはストレスを溜め込みやすく、お外で飼われているねこちゃんよりも問題行動が起きやすいと報告されていて、この環境エンリッチメントがとても重要であることが猫専門の獣医師たちから指摘されています(※2・3)。ねこちゃんの生活環境を整えてあげることは、とても大切です。

 

■猫の「お散歩」が健康対策のひとつに?

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近年、欧米ではねこちゃんを室内のみで飼うことによるストレスへのケアが注目されていて、そのストレスを緩和するための対処法や環境づくりの1つとして、ねこちゃんのお散歩を取り入れる事例があります(※4・5)。ねこちゃんも、お外に出ることで気持ちがリフレッシュされてストレスが軽減されることがあるのです。

しかし、ねこちゃんによって反応はさまざまで、お外に慣れていないと逆にストレスになることがありますので、突然お外に連れ出すことはおすすめしません。実際にねこちゃんをお外に出すときは、細心の注意が必要。段階を経てハーネス、リード、お外の音や新しい環境などに慣らしていく必要はありますが、ストレスを減らすための対策の1つとして今後一般化される日が来るかもしれないと感じています。

 

7つのチェック項目のなかで、何個当てはまりましたか? ねこちゃんとの暮らしのために、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

※1 What is environmental enrichment? The Ohio State University College of Veterinary Medicine.

※2 Environmental enrichment for indoor cats. AAFP Position Statement 2011.

※3 Ellis SL, Rodan l, et al. AAFP and ISFM feline environmental needs guidelines. J Feline Med Surg 2013; 15(3): 219-230. 

※4 Harness training your cats. RSPCA Queensland 2019.

※5 Making your outdoor cat indoor-only. The Ohio State University College of Veterinary Medicine.

【画像】

※ Stefano Garau,Andrey_Kuzmin,noreefly,Konstantin Zaykov,Zoran Kompar Photography / Shutterstock

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