※2023年5月31日情報更新
ねこちゃんがテレビに映る画面をじっと見つめている……そんな光景を、写真や動画などで見かけることがあります。果たして、ねこちゃんはテレビが好きなのでしょうか? その時ねこちゃんはどんな気持ちで見ているのでしょうか?
今回は、そんなねこちゃんとテレビの関わりについて考えてみました。
■ねこちゃんはテレビが好き?
テレビをじっと見つめているといったねこちゃんの話は、確かによく聞きます。しかし、テレビをつけたら必ず見る……というわけではなく、ある特定の番組や場面にだけ反応することがほとんどのようです。
その一方で、最初は夢中になっていたのに、いつの間にか見向きもしなくなったという話や、最初から興味も示さないという話も耳にします。
そういったことからも、すべてのねこちゃんがテレビ好きとは言い切れませんが、やはりテレビに反応するねこちゃんはいるようです。
■ねこちゃんは、なぜテレビが好きなのか?
テレビに映る画面は、ねこちゃんと人間とでは見え方が少し違うようです。実は、テレビは1秒間に30枚の静止画を撮影したものを流しています。人間の目は、1秒間に10枚ほどしか認識できないため、テレビに流れる静止画は、人間には何の違和感もなく、なめらかな動画として見えているのですが、ねこちゃんは人間の4倍も動体視力が優れていると考えられていることから、1秒間に40枚ほどの静止画を認識できると考えられます。
よって、ねこちゃんにとっては、テレビは少しずつ変化する絵のように映っているのでしょう。そのため、テレビの画面だけが少し違うように見えるので、見入ってしまうのかもしれません。
ねこちゃんがよく反応すると言われるものの一つに、天気予報があります。これは、天気図を指す棒が動くことに反応しているのでしょう。
その他にも、鳥が飛んでいたり、魚が泳いでいたりといった画面に反応するというねこちゃんの話もよく聞きますが、これはねこちゃんの狩猟本能が刺激されるのでしょう。実際に捕まえようとして、画面に猫パンチをするねこちゃんもいるようです。
また、虫や鳥が羽ばたいている音や動物の鳴き声など、ねこちゃんの本能を刺激するような音に反応して、テレビを見るという話もよく聞きます。目に見えるものだけでなく、音もねこちゃんの注意を引きつける重要なポイントかもしれません。
最初のうちはよく反応していたねこちゃんが、時間が経つにつれて興味を示さなくなるというのは、おそらくテレビという不思議な空間に慣れてしまったか、実際に捕まえることができないことを、ねこちゃんなりに悟ったのかもしれません。
これらのことから、テレビはねこちゃんにとって少し不思議なものに見えること、そして狩猟本能が刺激されることなどが、テレビを見入る理由だと考えられます。もちろん、本当の気持ちはねこちゃんに聞いてみなければわかりませんが……。
■その他、ねこちゃんとテレビに関するあれこれ
ブラウン管テレビが主流だったころは、テレビの上がお気に入りの寝場所だったというねこちゃんも多かったのではないでしょうか? 電気が通っているために、テレビの上はほどよく温かく、室内を見渡せる高さもちょうどよかったのかもしれません。
筆者が幼少のころに実家で飼っていた愛猫も、寒い時期はテレビの上が定番の寝場所でした。テレビの上が温かいという理由の他にも、家族でテレビを見ながら団らんをしている雰囲気に混じりつつも、誰にもじゃまされずにゆっくりと寝られるのが心地よかったからでしょうか。
テレビが消され、家族が寝静まるころには、愛猫はテレビの上の寝場所を離れ、家族の誰かの布団の中に潜り込んできたことを思い出します。
現在、ブラウン管テレビはすっかり姿を消し、薄型テレビへと切り替わったため、テレビの上で寝る姿を見ることはほとんどなくなりましたが、なかにはどうしてもあの心地よさが忘れられないのか、意地でも薄型テレビに乗っているねこちゃんもいるようです。
また、飼い主さんがテレビに夢中になっていると、「こっちを見て」と言わんばかりに、こちら側を見ながら画面の前に座り込んでくるねこちゃんも多いですよね。パソコン操作をしていると、キーボードに乗ってじゃまをしてくるような、甘えん坊のねこちゃんに多いような気がします。きっとテレビにやきもちを焼いているのかもしれません。
テレビの画面に映るものを捕まえようとしている姿はとても微笑ましいのですが、それだけでは狩猟本能が満たされず、ストレスが溜まってしまう可能性があります。
テレビを見たあとは、実際におもちゃを使って捕まえさせるなどして、ねこちゃんの狩猟本能を満たしてあげるようにしてあげましょう。
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※ Ingus Kruklitis, lucioly, Denis Tabler, FXQuadro, Elya Vatel / Shutterstock
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