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子犬や老犬がなりやすい?犬風邪と飛ばれる「ケンネルコフ症候群」とは

牧口香絵

獣医師
牧口香絵

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子犬や老犬がなりやすい?犬風邪と飛ばれる「ケンネルコフ症候群」とは

犬も人と同様に、咳をしている姿をみたことがありませんか? しかし、「ただの風邪かな」と思って放っておくと、実は大変な病気にかかってしまうかもしれません。

そこで今回は、獣医師の牧口香絵先生に、犬の咳や風邪の原因として考えられる“ケンネルコフ症候群”について、詳しくお話いただきます。

■「ケンネルコフ症候群」ってなに?

子犬や老犬になりやすい?犬風邪と飛ばれる「ケンネルコフ症候群」とは
出典:https://www.shutterstock.com/

ケンネルコフ症候群は、“犬伝染性気管気管支炎”と呼ばれる病気のことですが、こんなに長くて難しい名称はわかりづらいので、一言で“犬風邪”と説明する獣医師の方も多いかと思います。

まさに人の風邪と似たような症状が表れる、ウイルスや細菌の感染で発生する病気で、子犬や体力の低下している老犬で発病しやすいと言えます。

ケンネルコフという名称、ケンネル=犬舎、コフ=咳という名前から想像できるように、多頭飼育をしている環境、例えばペットショップ、ブリーダーの元などで、集団感染しやすい傾向があります。なぜならば、咳や鼻水により空気中にウイルスが飛び散ったり、接触したりすることで感染するからです。

■具体的な症状は?

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ケンネルコフ症候群の症状として、“乾いた咳”が見られます。そのほかにも、発熱、くしゃみ、食欲減退、元気がなくなるなど、様々な症状が現れます。

子犬の場合、ごはんを食べなくなると低血糖になり体調が悪化することもありますので、早めに診察をしてもらいましょう。また、重症化したりウイルスや細菌の混合感染、二次感染があったりすると肺炎になる可能性もあります。

通常は回復が比較的早い病気でも、肺炎になってしまうと治療が長引きますので、軽視せずに「具合がいつもと違うな」と思ったら、すぐに病院へ連れていきましょう。

■どんな対策をすればいいの?

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・治療法

著者は何事も早期診断、早期治療をおすすめしています。咳が辛く、炎症がひどい場合には抗生物質、鎮咳薬、去痰薬を処方することもあります。

ネブライザーは呼吸器疾患の症状の緩和に役立つので、内科治療に加えて使用します。部屋を適度な気温と湿度に保ち、良質な食事を与えて体力を引き上げていくことも大切です。

体調が改善しても咳があとまで残ることがあるので、しばらく安静にできる環境を作ってあげましょう。

・予防法

(1)ワクチンを定期的に接種させましょう

ケンネルコフ症候群を発症させる代表的なウイルス(犬パラインフルエンザウイルス、犬アデノウイルス2型)は、混合ワクチンを定期的に接種することで、感染の可能性を減少させることが可能です。仮に発症したとしても症状の悪化を防いでくれるので、定期的にワクチンを接種させましょう。

(2)衛生面の行き届いた環境で遊ばせましょう

ドッグラン、犬のイベント会場、犬と泊ることができるペンションなどには不特定多数の犬が遊びにきます。ワクチン証明証の提示や会員制度を設けており、健康管理をチェックしている施設を利用しましょう。

(3)毎日の体調管理をしっかりしましょう

私たち人間も同じようにその日によって体調が異なります。いつもより元気がない、だるそうにしている、遊び要求が少ないなど、ちょっとした変化が見られたら無理をして散歩やおでかけをせず、プランを変更してあげることが大切です。

■ストレスにも注意しよう!

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空気が乾燥するこの季節は、特にウイルスが活性化します。ケンネルコフ症候群にかからないように、日ごろからワクチン接種(※ ケンエルコフ症候群を発症させるすべての病原菌を予防ができるわけではありません)を心がけ、衛生的な場所で遊ばせるようにしましょう。

ただし、病気の感染を恐れて散歩に行かなかったり、散歩中に臭い嗅ぎをさせないようにしたりすると、かえって犬にストレスを与えてしまうかもしれません。

私たち人間はテレビ、ゲーム、映画鑑賞などたくさんの娯楽がありますが、犬にとって“臭い嗅ぎ”は最大の娯楽で楽しいことです。あまり神経質になりすぎず、散歩やお出かけを楽しんでくださいね。

著者の愛犬もブリーダーから生後2か月齢で譲り受け、数日後から咳をしていたことを思い出します。子犬で免疫力も低く、環境の大きな変化がストレスとなり、潜伏していたケンエルコフが発症して咳が出ていました。

幸いすぐに治りましたが、ただの咳とあなどらずに動物病院で診ていただくことをおすすめします。

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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※ Michael Pettigrew, Sundays Photography, 135pixels, Africa Studio, vvvita / Shutterstock

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