ひと昔前は、一戸建ての庭に犬小屋を置いて、犬を外で飼う家庭をよく見ました。しかし最近では、室内飼いする家庭が多くなったように感じています。室内飼いに付随して心配となるのが、フローリングです。フローリングの床は硬く滑るので、実は犬にとって非常に危険な床です。
犬がフローリングで滑ると様々な病気やケガが発生するリスクがあります。今回は、フローリング床にまつわる病気やその予防法について紹介します。
■フローリングが愛犬に与える悪影響
犬は、爪を土に食い込ませ、地面を蹴ることで歩行しています。しかし、フローリングの床では爪が食い込まず、引っ掛けることができないためにツルツル滑ってしまいます。そして、滑ると体勢を崩して転倒したり、足腰への負担がかかり筋肉や骨を痛めたりするなどの危険があります。
■フローリング床で気をつけたい5つの疾患
フローリング床で気をつけたい疾患として、下記のものがあります。
・膝蓋骨脱臼
・椎間板ヘルニア
・股関節形成不全
・脱臼、骨折
・前十字靭帯断裂
股関節形成不全症以外の疾患は、突然起こります。症状としては、突然、びっこをひく、足をつかない、歩行困難になる、などです。その場合は、すぐに獣医師の診断を受けて下さいね。
■犬が床で滑りにくくする方法
犬が滑らないようにするためには、犬側のケアと床自体の改善をする必要があります。筆者が考える対策法をご紹介します。
・犬の肉球の間の毛をカットする
・犬の伸びた爪を切る
・ペット用の滑り止めワックスをフローリング床に塗る
・カーペット、コルクマットを敷く
■犬にやさしい床材の条件は?
犬にやさしい床材の条件としては、第一に"滑らない”ことが重要になってきます。
しかし、必要とする条件はこれだけではありません。以下にご紹介する3つの項目も、犬にやさしい床材を選ぶ際に大切なポイントです。
メンテナンスが容易
人と違って、比較的嘔吐や粗相のリスクが高いため、できるだけ飼い主さんが容易に掃除できるものがおすすめです。
衝撃を吸収できる
足腰が弱い犬もいるため、日常の足腰への負荷のほか、転倒による怪我を防ぐことにも関わってきます。なるべくクッション性のあるものがいいですね。
耐久性に優れている
犬の爪のひっかかりによる傷など、人だけが使用する場合よりも耐久性の優れているものが要求されます。
いかがでしたか? フローリングの床が、愛犬に及ぼす影響を理解していただけましたか? かわいい愛犬のために、よりよい環境を整えてあげてくださいね。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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【参考】
※1 犬がフローリングで滑ると危険!滑り止め対策6つの方法とは | 家具テリア
※2 フローリング|山形県 フローリングリフォーム! 張り替えと上張りを比較
【画像】
※ Peter Kirillov,Africa Studio,Natalia De,Igor Normann,Africa Studio / Shutterstock
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