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【獣医師執筆】「ブルーベリー」は犬の目に効果はあるの?ブルーベリーの成分と視力の関係

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】「ブルーベリー」は犬の目に効果はあるの?ブルーベリーの成分と視力の関係

近年、動物病院だけでなく、ペットショップやホームセンターのペットコーナーには、実にたくさんの犬用サプリメントが見られるようになりました。その中には目の健康に役立つサプリメントも増えていますが、やはり医薬品と違って「本当に効いているの?」と感じる方も多いと思います。

そこで今回は、目のサプリメント成分の中でも非常に注目されている「ブルーベリー」と犬の目の関係についてお伝えします。

■高齢犬に多く見られる目の病気とは?

「ブルーベリー」は犬の目に効果はあるの?ブルーベリーの成分と視力の関係
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犬が年をとると、「目が白くなってきたかな?」と感じる方はとても多く、実際に筆者の動物病院でもよくご相談いただきます。

犬の目が白くなるのは、ほとんどが「白内障」あるいは「核硬化症」という眼球が白くなる病気です。その中でも白内障は、進行してしまうと失明してしまったり、あるいは緑内障などさらに重い合併症が見られたりすることがあるので、非常に危険な病気です。

さらには、これらの病気は完治させることが難しく、人間と同じように手術によって人工レンズを入れる治療を行います。ただし、この白内障の手術は実施できる動物病院が少なく、実際には手術を受けることができない犬が多いのも事実です。

■犬の目が白くなるのは「サビ」が溜まった状態

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この「犬の目が白くなる」状態ですが、イメージとしては「目にサビが溜まっている」状態です。"サビ”とは、活性酸素の発生により、細胞が酸化してしまうことです。

この"サビ”は、遺伝的な問題もありますが、それ以外にも、加工食品の摂取や肥満、あるいはさまざまな病気が原因で作られてしまいます。もちろん、こういった"サビ”は、ある程度は自分自身で取り除くことができます。しかし、現在の犬は、ドッグフードという加工食品を主食にしていることや、あるいは蛍光灯による目の負担、タバコの副流煙などによって、昔に比べて非常に"サビ”が溜まりやすい状態になっていると考えられています。

したがって、犬の目をケアするためには、このような"サビ”を抑えていくことが大切なのです。

■ドッグフードだけでは足りない抗酸化成分

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犬の目の健康を維持するためには、上述の"サビ”を減らすことが重要なのですが、人間においては日常的に「抗酸化物質」を意識的に摂取すると良いと言われています。体の"サビ”の多くは「酸化物質」と呼ばれ、それを抑えるという意味で「抗酸化物質」と呼んでいます。

この抗酸化物質、実はたくさんの種類があり、未だに発見されていないものもあると考えられています。そして一般的には、体の"サビ”を抑えるため、この抗酸化物質の種類や量をバランスよく摂取することが大切だと言われています。

しかし、犬は主食がドッグフードという加工食品で、抗酸化物質は十分な量が含まれていない印象です。というのも、抗酸化物質の適正量というのは分かっておらず、まだまだ研究段階のものだからです。

したがって、犬の目の"サビ”を抑えるためには、ドッグフードとは別に、抗酸化物質を摂取することが重要だと考えられ、現実的にはサプリメントを取り入れることがお手軽にケアできる方法のひとつです。

■目のケアで注目のブルーベリー

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犬の目をケアするサプリメント成分の中でも、今、獣医師の間でも注目されているのがブルーベリーに含まれている「アントシアニン」という成分です。

アントシアニンは、基礎研究あるいは人間の研究で多くの報告があります。

もともとアントシアニンには、眼精疲労などで減ってしまった目の色素(ロドプシン)を増やす働きがあります。そして、実際に人間における試験では、パソコンのモニターやテレビゲームなどによる眼精疲労を改善させる結果も報告されているようです。

■ブルーベリーは犬に効果あるの?

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ただし、これらは基礎研究や人間での研究なので、犬で実際に効果があるのかどうかは分かっていません。しかし、筆者個人の考えでは、犬の目の構造は人間と似ている点が多いことから、同じようなケアが期待できると思われます。

また、犬の目は動体視力が優れているのですが、逆にそれが人間との生活の中で負担となっている可能性があります。その一つが「蛍光灯」です。

蛍光灯は人間が見ると、ずっと光り続けているように見えますが、実は1秒間に50回もしくは60回点滅を繰り返しています。人間は1秒間に50回あるいは60回の点滅を認識できないので、一見するとずっと光っているように見えるのですが、実は動体視力が優れた犬はこの点滅を認識できるのです。

つまり、蛍光灯のついたお家の中で過ごす犬は、ずっと「チカチカした状態」で過ごさざるを得ない状態なのです。

このような状態は、私たちがパソコンやスマホによる眼精疲労と同じレベル、あるいはそれ以上に目に負担がかかっていると思われます。

したがって、人間の眼精疲労に役立つブルーベリーは、犬にとっても非常に重要な役割を果たすのではないかと考えます。

■ブルーベリーの中でもおすすめは「ビルベリー」

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そんな犬の目のケアにも取り入れていただきたいブルーベリーのサプリメントですが、実はブルーベリーにはたくさんの種類があり、含まれているアントシアニンなどの抗酸化物質の量にも差があることが知られています。

その中でも「ビルベリー」と呼ばれる品種には多くのアントシアニンが含まれ、より抗酸化作用を期待することができます。また、これまでのブルーベリーの研究で利用されているアントシアニンのほとんどがビルベリー由来のものですので、ブルーベリーサプリメントを取り入れる際には、ビルベリー、あるいはビルベリーエキスを用いたサプリメントをおすすめします。

現在の犬は人間と同じように、日常生活の中で目に負担がかかっていて、実際に白内障などの病気も多く見られます。犬の目に役立つサプリメントの研究はまだまだ発展途上ですが、その中でも研究データが豊富なブルーベリーは、犬でも目のケアに役立つと思われます。特にビルベリーはブルーベリーの中でも、抗酸化成分アントシアニンが非常に豊富に含まれていますので、ビルベリーを用いたサプリメントがおすすめです。

犬の目の病気は、早期発見も難しいので、こういったサプリメントを導入して、日頃からの犬の目のケアを積極的に行ってあげてくださいね。

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※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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