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【獣医師執筆】実は視力が悪い?色が分からない?犬と猫の目の仕組みを獣医師が解説

牧口香絵

獣医師
牧口香絵

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【獣医師執筆】実は視力が悪い?色が分からない?犬と猫の目の仕組みを獣医師が解説

※2020年8月31日情報更新み

なさんは「環境世界」という言葉を聞いたことはありますか? 私たち人間を含めた動物たちは、それぞれ違った感覚や知覚を持ち、生きて行動しているという考え方のことです。

この考え方によると、たとえば同じ散歩道を愛犬と楽しんでいるときに、飼い主さんが見たり感じたりしていることと、愛犬が感じていることは異なります。見えている世界の色や目線も異なるため、違ったことを感じて同じ空間や時間を共有しています。

今回は、わんちゃんとねこちゃんの目の仕組みについて解説します。私たちと違う目から見える世界は、どんなものなのでしょうか? 

■暗くてもよく見える特別な目

実は視力が悪い?色が分からない?犬と猫の目の仕組みを獣医師が解説
出典:https://www.shutterstock.com/

私たち人間になく、わんちゃんやねこちゃんに存在する特殊な目の反射板を「タペタム層」と呼びます。暗がりでわんちゃんの目が黄色や緑色に光っているのを見たことはありませんか?

これはタペタム層という特殊な反射細胞の層のことで、少ない光でも暗がりで物を見ることを可能にします。

また、網膜にある明暗を感知する桿状(かんじょう)細胞がたくさんあるために、薄暗い場所でも明暗を感じることが得意です。わんちゃんと比べるとねこちゃんの方が、特に暗がりで見ることが得意な目の構造をしているとされています。

 

■猫の視野は広く、犬の視野は狭い!

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私たちの目は顔の前面に位置しているため、両目で見る視野が広く、物との距離感をつかむことが得意です。

ねこちゃんは人と同様に、両目で見える範囲が広いため獲物との距離を上手に測りハンティングをします。

わんちゃんの視野はマズル(鼻口部)の長さや目の大きさにより若干異なりますが、両目で見る視野はねこちゃんと比べると狭いです。その代わり広く全体を見渡すことが得意な目を持っています。犬科の動物はグループで狩りをするため、周りの仲間をよく見ながら行動することに長けている目の構造が発達したのではないかと言われています。

 

■人間とは違う色彩の世界

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私たち人間は、色彩豊かに物をみることができる目の構造を持っています。それは、色を感じ取ることができる錐状細胞が網膜にたくさん存在するからです。主に赤・青・緑の3種類の色の波長域の光を錐状細胞が受け取った刺激の割合から、脳は色を判断します。

わんちゃんとねこちゃんは青と緑の2種しか持っておらず、また錐状細胞の数も少ないため、赤や緑を人間が見ている色として識別することが難しいとされています。

 

■猫の特徴的な瞳孔のひみつ

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ねこちゃんはわんちゃんとは異なる特徴的な瞳孔の動きをします。瞳孔とは目に入る光の調整をする役割をもっている目の部分を示します。

わんちゃんの瞳孔は丸い形をしたまま光が多すぎれば小さくなり、光が少なすぎれば大きくなりますが、ねこちゃんの場合は縦に細長く小さくなったり大きくなったりします。このような特徴的な瞳孔の動きがあるからこそ、ねこちゃんはより暗がりでも目がよく効きます。

 

■視力は良くないけど動体視力は抜群!

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わんちゃんの視力もねこちゃんの視力も人と比較すると0.10.3と決してよいとは言えませんが、どちらも動体視力は抜群です。空中を素早く動くフリスビーは、わんちゃんにとってはまるでスローモーションで動いているように見えていると言われるほどです。

この優れた動体視力はハンティグをする際にたいへん役に立ちます。

 

いかがですか?

筆者も愛犬と夕方に芝生の上でボール遊びをしていたときに、愛犬が緑の芝生の上に落ちた赤いボールを探すのに苦労している姿を見たことがあります。私たちにとっては緑と赤のコントラストをしっかり識別することができますが、愛犬にとっては赤と緑の識別はとても難しくなっていたようです。それからは愛犬にとって見やすい青色のボールやおもちゃを使うようにしています。

みなさんもおもちゃを選ぶ際など、参考にしてみてくださいね。

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【参考】

K.M.Dyce,W.O.Sack,C.J.G.Wensing(1998)『獣医解剖学』近代出版 

林良博監修『イラストでみる犬学』(講談社)

 

【画像】

※ otsphoto,alan payne,Anna Morgan,zossi,ArTDi101,elbud / Shutterstock

   

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