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【獣医師執筆】順番を間違えるのはNG!?「犬と猫を一緒に飼う」実現するための基礎知識

立石絵美

獣医師
立石絵美

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【獣医師執筆】順番を間違えるのはNG!?「犬と猫を一緒に飼う」実現するための基礎知識

2021125日情報更新

わんちゃんが大好きだけれど、最近の猫ブームで可愛いねこちゃんの映像を目にするたび、「ねこちゃんも飼いたい!」と思われる方も多いのではないでしょうか?

しかし、いざ飼うとなると、習性の違う動物を一緒に飼うのに不安な部分もあると思います。そこで、疑問や問題となりそうな事項について、一緒に考えてみましょう!

■猫は基本室内飼い

出典:https://www.shutterstock.com/
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基本的なこととして、ねこちゃんは完全室内飼いにすることをおすすめします。わんちゃんはお散歩に行くときに飼い主さんが当然付いて、一緒に歩くと思います。しかし、ねこちゃんの“お散歩”は、たとえ庭にしか出ないとしても、ノミやダニを付けて来る可能性があります。

予防薬を付けていても耐性ノミなどが付くこともあるので、最初から外に出さないような習慣をつけておく方が安心です。もちろん、お散歩に行くわんちゃんも予防はしっかりとしてあげてくださいね。

■お互いの「逃げ場」を作る

出典:https://www.shutterstock.com/
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わんちゃんとねこちゃん、どちらがあとから来る場合でも言えることですが、先住動物が受け入れてくれるか、攻撃的にならないかを十分に監視しながら対面させる必要があります。最初は、新入りをケージに入れた状態で慣れさせることをおすすめします。

また、ねこちゃんには高いところに安全でくつろげるような場所を用意してあげると、わんちゃんに構ってほしくないときの逃げ場になります。必ず安全地帯を用意してあげてくださいね。

逆に、ねこちゃんはどこにでも入り込めるので、わんちゃんが逃げ回ってしまうようだと、回避スペースを作ることが難しいかもしれません。このような場合は、部屋を分けるなどの対処が必要になります。家のスペースや構造的に可能かどうか、よく考えてから同居を検討してください。

■生活に必要なスペースは別々に確保する

出典:https://www.shutterstock.com/
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排泄や食事の間は無防備になるため、お互いのトイレと食器の場所はできるだけ離してあげたほうがいいでしょう。わんちゃんがキャットフードを食べてしまうことはそれほど問題にはなりませんが、ねこちゃんがキャットフードを食べずにドックフードのみを食べ続けると、タウリンなどの栄養素が欠乏してしまうため注意が必要です。

■先住動物を優先する

出典:https://www.shutterstock.com/
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わんちゃん同士、ねこちゃん同士の同居でも言えることですが、先に飼っていた方を優先してお世話をするようにしましょう。それでなくても、新しい家族に対してストレスになっているときに、飼い主さんの意識が新入りにばかり向いてしまっては面白くありませんよね。

ヤキモチから攻撃的に発展する可能性もあるので、食事を与える順番など、優先順位を考えてあげてくださいね。

■できれば子犬・子猫のうちに迎え入れる

出典:https://www.shutterstock.com/
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若い方が柔軟に生活の変化に適応しやすいため、もし同居を検討したうえで迎え入れるならば、若い子の方が慣れるのは早いでしょう。お互いが若い状態がベストですが、後から若い子が入ってくる場合、先住動物のストレスにならないよう、一緒にいる時間の長さなどに配慮が必要です。

特に老齢動物の場合、感覚の衰えによって不安傾向が高まることがあります。環境の変化によるストレスが、病気を引き起こすキッカケになる可能性も考えなくてはいけません。

■去勢手術は必ず行う

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犬猫どちらにも言える事ですが、去勢していない男の子は縄張り意識が強く、自分のテリトリーにほかの男の子が入ってくることを拒絶しがちです。生殖上のライバルにはならないものの、自分の縄張りを守るために警戒心も強くなりがちです。

このような状態ではトラブルが起こる可能性が高くなるため、適齢期が来たら去勢手術を受けさせましょう。

■犬猫の気持ちを第一に考える

出典:https://www.shutterstock.com/
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迎え入れる順番は犬猫どちらが先だとしても、最初からうまくいくとは限りません。“お互いが自身の生活を脅かすような存在でないこと”を理解してくれれば、充分に同居できる可能性はあります。

しかし、先住動物が過度に神経質だったり怖がりだったりする場合は、健康を害する可能性もあるため、余程の事情が無い限りは無理に同居を考えるべきではないと思います。

犬猫と同居していてお互いに仲が良いことは憧れますが、実際にはお互いの性格や性別、年齢などで状況は変わります。同じ動物同士でも相性が悪いこともあるくらいですから、過度な期待と無理強いは禁物です。

どうしても一緒に飼いたいときは、“トラブルなく生活できればそれで良し”くらいの気持ちで臨みましょう。

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【参考】

※ 小山秀一ほか(2015)『犬と猫の治療ガイド』インターズー.

【画像】

※ Grigorita Ko, Monika Wisniewska, Shumilina Maria, Ivonne Wierink, Chendongshan, Liliya Kulianionak, Irina Kozorog, Chendongshan / Shutterstock

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