わんちゃんは大好きな飼い主さんに愛を伝えるため、実にさまざまな形で愛情を表現します。わんちゃんからの愛情表現は分かりやすいものが多いですが、中には「え? これも愛情表現なの?」と思ってしまうものもあります。
今回は、筆者の経験や一般的に言われているしぐさから、わんちゃんが飼い主さんに見せる代表的な愛情表現をご紹介します。
■しっぽを振る
飼い主さんを見ながらしっぽを大きく左右に振っているときは、「うれしい!」という気持ちを最大限に表していると言われています。
ただ、わんちゃんは嬉しいときだけではなく、単に興奮や警戒しているときにもしっぽを振ることがあります。そのときの状況(見知らぬ犬や人に会った、大きな音がしたなど)や、体が硬直していないかなども合わせて観察してみましょう。
■飼い主さんの口や顔を舐める
母犬に甘えるときに、子犬が母犬の口や顔をペロペロと舐めるのと同じです。
わんちゃんが信頼している人、大好きな人だけにする愛情表現と言われていますが、わんちゃんから人へ、人からわんちゃんへの感染症の危険もあるので注意が必要です。
■ひっくり返ってお腹を見せる
動物にとってお腹は急所です。急所であるお腹を見せて、リラックスしているのは、何よりも飼い主さんを信頼している証でしょう。
しかし、お腹を見せているからと言って、いきなりお腹を触ると、中には驚いて怒り出すわんちゃんもいます。もちろんお腹を撫でられることが大好きなわんちゃんもいるので、撫でてという意味でお腹を見せることもありますが、触られることが苦手なわんちゃんもいるので注意しましょう。
また、お腹を見せるのは必ずしもリラックスしているときだけではありません。「これ以上はやめてください」という降参の意味もあると言われますので、そういう場合は決して無理強いせず見守ってあげましょう。
■笑っているような表情をする
わんちゃんが緊張や警戒をしているときは、口をぎゅっと閉じていることが多いのですが、飼い主さんの前で口を緩めて、目を細め、まるで笑っているかのような表情を見せてくれたら、それは愛情表現と言えるでしょう。
■番外編:飼い主さんを困らせる
たとえば、飼い主さんの靴下やスリッパをくわえて、わざわざ飼い主さんに見せに来ることはありませんか? そして、飼い主さんはそれを取り返そうと、わんちゃんを追いかけていませんか? 実は、わんちゃんは追いかけてもらうのが楽しくて、そのようないたずらをすると言われています。
または、たまたまトイレ以外で排泄してしまったとき、失敗に気づいた飼い主さんは、「あーあ、なんでそんなところでするの?」などと言って、失敗場所に駆け寄るかもしれません。ついつい叱ってしまうこともあるでしょう。子犬のころと違い、成長してトイレで排泄できるようになると、それがいつの間にか当たり前になって、トイレで排泄ができても飼い主さんに褒めてもらう機会がガクンと減るどころか、まったく関心を持たれないなんてこともあります。そんなときに飼い主さんが叱ると、わんちゃんは、飼い主さんが関心を持ってくれたこと自体が嬉しくて、わざとトイレ以外で排泄することが増えるかもしれません。
「飼い主さんがこっちを向いてくれるなら叱られたっていい!」、そんな気持ちかもしれませんね。これもわんちゃんの愛情表現なのです。
もっとエスカレートすると、物を破壊する、自分を傷つける、吠え続けるといった問題が起きる可能性もあります。
こういうとき、飼い主さんは決して叱らないでください。繰り返しになりますが、飼い主さんの関心を引いたことが嬉しくて、それがご褒美になってしまうこともあるし、逆に怖がりのわんちゃんだとしたら、恐怖や不安を与えてしまう危険性があります。失敗を叱るのではなく、何事もなかったかのように無反応を貫き、成功したことをたくさん褒めてください。
靴下やスリッパなどをくわえてきても、反応しないようにしましょう。その代わり、くわえてもいいおもちゃを与えます。また、普段からたっぷりの散歩や遊びなどで、わんちゃんのエネルギーを十分に発散させてあげることも大切です。
いかがでしたか?
わんちゃんによって愛情表現の仕方はさまざまですが、その意味をしっかりと理解し、飼い主さんからもたくさん愛情を表現してあげましょう!
普段から、わんちゃんとたっぷりコミュニケーションをとって、お互いの愛情を確認し合うことが大切ですね。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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