ねこちゃんが、飼い主さんのお腹や毛布の上などで、一心不乱に前足を動かしてもみもみ・ふみふみしている姿は、とても可愛らしいですよね。このもみもみする行動には、一体どんな意味や理由があるのでしょうか? 今回は、この気になる"もみもみ”の謎に迫ってみたいと思います。
■前足で「もみもみ」する理由とは?
もみもみするしぐさは、子猫の時の名残だと言われています。
子猫は、お母さん猫のおっぱいを飲むときに、母乳がよく出るように前足でおっぱいを揉んで刺激することが知られています。おっぱいを卒業して成猫になってからも、毛布などふわふわしたものをもみもみするのは、おそらくこの子猫時代の名残だと言えるでしょう。
もみもみしながら、同時に喉をゴロゴロと鳴らしていることが多いのですが、この時お母さん猫のおっぱいを飲んでいたころを思い出し、とてもリラックスして心地良い状態にあると考えられます。
また、おとなになってからのもみもみは、寝床を整える行動だという説もあります。眠そうにしているときに、毛布などをもみもみしているうちにいつの間にか眠っていた、というねこちゃんも多いと思いますが、この時も、やはりリラックスしている気持ちでいると考えていいでしょう。
■飼い主さんに対してもみもみするのはどんな気持ちから?
リラックスして前足でもみもみするとき、毛布やタオルなど、お母さん猫のおっぱいを思い出すようなやわらかい素材が好まれますが、中には飼い主さんのお腹や背中でもみもみするねこちゃんもいます。
このとき、飼い主さんがモコモコした柔らかい素材の服を着ていたなど、たまたま踏み心地がよかっただけということも考えられますが、ねこちゃんにとってそこは居心地の良い場所であり、安心している状態であろうことは想像に難くないでしょう。
■もみもみしながら布を食べるときは要注意!
もみもみは、すべてのねこちゃんが行うわけではありません。ねこちゃんによっては、まったくもみもみしない、もしくは年齢を重ねるにつれて徐々にやらなくなる子もいます。また、いくつになってももみもみが見られるねこちゃんもいます。このように、ねこちゃんによって違いが生じる理由についてはよく分かっていません。
しかし、もみもみしながら、布をチュパチュパと吸いついている場合は、少し注意して様子を観察してください。中には、そのまま布を食べてしまうねこちゃんもいるからです。この行動は、早くにお母さん猫と離されたねこちゃんによく見られると考えられていて、「繊維摂食行動」「ウールサッキング」などと呼ばれています。量によっては、食べてしまった布などが胃や腸に詰まる可能性もあるので、頻繁に食べてしまうようであれば、まずは食べられやすいものをねこちゃんの周りには置かないようにし、念のためかかりつけの獣医師に相談するといいでしょう。
上記の行動には注意が必要ですが、もみもみ自体はねこちゃんにとって、まさに至福のひとときなのではないでしょうか。お母さん猫になったつもりで、優しく見守ってあげましょう。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
【関連記事】
※ あなたの愛猫は大丈夫?日ごろから実践したい「耳掃除」の正しい方法
※ 清潔に保つことが大切!猫の「スタッドテイル」について理解しておきたいこと
※ 猫はどうして爪とぎをするの?しつけだけでは難しい「壁を守る対策法」を解説
※ 猫とおでかけするために!「慣れさせる方法と準備したい物」とは
【画像】
※ val lawless,Skrypnykov Dmytro,Lubava,Robert Wei / Shutterstock
戻る
みんなのコメント