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避難所で落ち着いて過ごすためには…?今日からはじめる!ペットの防災対策〜ドッグトレーナー編・前編~

マルヤマミエコ

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マルヤマミエコ

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避難所で落ち着いて過ごすためには…?今日からはじめる!ペットの防災対策〜ドッグトレーナー編・前編~

昨年は、日本列島に多くの自然災害が発生しました。その度に、飼い主さんたちは大切なわんちゃん・ねこちゃんとの防災について考えていることと思います。今回、『わんにゃ365』では、ドッグトレーナー・獣医師・行政の方々より、ペットの防災対策についてお話を伺いました。本記事では、ドッグトレーナーさんへ2回に分けて防災へのアドバイスを伺います。

ペットの防災対策と聞くと、フードや水などの防災グッズに目がいきがちです。もちろんそれも大切ですが、避難所で過ごすのに必要なのは物資だけではありません。避難所でペットが過ごす上で重要な項目、“決められた場所での排泄”と“環境への適応”について、ドッグトレーナーの遠藤ゆかりさんに伺いました。

■飼い主さん共通の「2つの不安要素」

避難所で落ち着いて過ごすためには…?今日からはじめる!ペットの防災対策〜ドッグトレーナー編・前編~
出典:https://www.shutterstock.com/

行政では”ペットの同行避難”を推奨しています。しかし、実際に災害によって避難が必要になっても、愛犬や愛猫を避難所に連れて行かずに、ペットと共に家に留まる飼い主さんがいるのが現状です。

飼い主さんがペットと同行避難をしないのには、「避難所にペットが馴染めるのか」と「トレーニングがしっかりと身についていないから心配」という、2つの不安要素があるようです。

「自然災害は、いつ起こるかわかりません。だからこそ、日ごろから災害が起きたときのことを意識した生活が大切です。だからといって、特別なトレーニングは必要ありません。日常の延長線上に災害はあるものだと思うので、基本的なことを身につけておけば災害時にも十分に役立ちます。排泄と環境適応は特に重要なので、見直しておいてほしいと思います」(ドッグトレーナー遠藤さん)

 

■災害に備えたいしつけ1:排泄のトレーニング

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散歩に行った際に、犬が好き勝手な場所で排泄をするのを許可していると、避難所でもトイレ以外の場所で排泄をしかねません。そうさせないためには、決められた場所(トイレ)での排泄のみを許可して、その他ではさせないように練習することが大切です。

室内や外など場所に関係なく、トイレシートの上で排泄ができるようにしておきましょう。

「避難所によっては行動に制限があるかもしれません。飼い主さんの“オシッコ”や“トイレ”などの指示語を合図に、犬が排泄を出来るようにしておくと、なお良いと思います。朝起きてすぐは指示語を使う排泄が成功しやすいと思うので、やってみてくださいね」(ドッグトレーナー遠藤さん)

 

■災害に備えたいしつけ2:社会性と環境適応能力

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犬は環境の変化によって、ストレスを感じたり体調を崩したりすることがあります。避難所という特別な環境に置かれた場合どうなるのかを知るためにも、旅行や出先での変化に対しての適応能力を観察しましょう。

・いつもと変わらない

・食事が摂れなくなる

・排泄を我慢してしまう

・排泄を場所に構わずどこでもしてしまう

・寝られなくなる

・ケージやクレート内で過ごすことができる

・留守番ができる

避難所では不特定多数の犬や人と会うことになります。そのため、愛犬がさまざまな環境に置かれた際の犬や人に対しての反応は、ぜひとも知っておきましょう。外出先で見ず知らずの犬や人と会ったとき、誰かがテリトリーに近づいて来たとき、どんな反応でしたか? また、ペットホテルやトリミングサロンではどうだったか、飼い主さんがお迎えに来るまでの様子についても、お店のスタッフに観察をお願いしておきましょう。

避難所では、飼い主さんが常に愛犬の側にいられるとは限りません。そのため、犬や人に対しての反応を知っておくことは、飼い主さんと離れているときの愛犬の待たせ方や、どこかに預ける際のヒントにもなるので、必ず把握しておいてください。

 

■ドッグトレーナーとしての役割

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出典:https://www.shutterstock.com/

ペット同行避難は、災害が起きる前からの準備が大事だと遠藤さんは言います。防災対策やペット同行避難についても、積極的に取り組んでいきたいと話してくれました。

「日ごろから災害に備えて、ペット同行避難訓練の実施や、避難所で混乱が起きないための準備をしておく必要があると思います。飼い主さんの防災意識を高めるための勉強会を開き、行政とも話し合いを重ねていきたいです。もし、避難が必要になった場合は、ドッグトレーナーは中立の立場として、避難所を利用する飼い主さん同士の話し合いや、アレルギーのある被災者の問題についてもまとめていく役割が求められると思います。

その他、避難した犬のストレス軽減方法、安心、安全なスペースの確保なども大切です。状況を見ながら、混乱や事故がないよう、アドバイスできるようにしておきたいですね」(ドッグトレーナー遠藤さん)

後編では、避難の際に役立つトレーニングを5つご紹介します。 

    <取材協力>

    ドッグトレーナーが教える!「遊び下手な犬」気になる原因&実践したい対処法

    遠藤ゆかり(えんどうゆかり)

    戸田市を中心に犬のしつけレッスンをしている、『PLUS WAN』のドッグトレーナー。わんちゃんと飼い主さんの楽しい生活に欠かせない“絆”を育むお手伝いをしている。HP:https://plus-wan.jimdo.com

     

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    ※ Yashkin Ilya,Lizardflms,Gladskikh Tatiana,Africa Studio,Elena11 / Shutterstock

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