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【獣医師執筆】伸びたままだとトラブルに!? 「犬の爪」を切るタイミングとお手入れのコツ

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】伸びたままだとトラブルに!? 「犬の爪」を切るタイミングとお手入れのコツ

人間と同じように、わんちゃんも爪が伸びるため、定期的なお手入れが必要です。もし爪が伸びてしまうと、折れて出血したり、人にケガをさせてしまったりなど、大きな問題になることがあるので注意が必要です。

でも、わんちゃんの場合はどのタイミングでどのようなお手入れが必要なのか、よくわからない飼い主さんもいるのではないでしょうか。

そこで今回は、獣医の筆者がわんちゃんの爪が伸びてしまうことのリスクと、爪切りのタイミングや注意点などをお伝えします。

■ほとんどのわんちゃんは、定期的な爪のお手入れが必要

わんちゃんの爪の伸び方は、わんちゃんによって異なります。それはお散歩の時間や場所、わんちゃんの歩き方などに影響を受けます。

つまり、地面を擦ることによって少しずつ爪は削られるため、歩く時間や地面の硬さなどによって削れ方が変わり、しっかりと爪が削れているわんちゃんは、お手入れの必要はありません。

しかし、筆者の経験上、多くのわんちゃんの爪が十分に削られるほど散歩できておらず、時間が経って伸びているケースがほとんどです。

また、しっかり爪が削られているわんちゃんでも、人間の親指にあたる狼爪(ろうそう)は地面につかず、どんどんと伸びていくため、定期的な爪切りが必要です。

 

■爪が伸びることでケガなどのトラブルが起きやすくなる

出典:https://pixta.jp/

わんちゃんの爪が伸びてしまうと、さまざまなトラブルが起きやすくなるので注意が必要です。

長い爪は、歩いているといろんなところに引っかかりやすく、場合によっては引っかかった勢いで、爪が根元から折れてしまうことがあります。爪が折れると、わんちゃんの場合はかなりの出血が見られることも多く、さらに一度出血すると非常に止まりづらいため処置にも時間がかかってしまいます。

また、人との触れ合いの中で、わんちゃん自身はじゃれているつもりでも、長い爪が人を傷つけてケガをさせてしまうことがあります。

あるいは、高齢で、足腰が弱くなってしまったわんちゃんでは、爪が伸びると歩きづらくなり、ふらついたり転んだりする原因になることがあります。

このように、爪が伸びてしまうとさまざまなリスクが生じるようになります。わんちゃんだけでなく、人のケガを防ぐためにも、爪のチェックやお手入れは定期的に行うようにしましょう。

 

■爪切りのタイミングは、爪の中の血管を基準にチェック

爪切りのタイミングについては、爪の中の血管を基準に、そこからかなり伸びていれば、切ったほうが良いでしょう。また、フローリングなど音が出やすい床で「カチッ、カチッ」といった硬い音が目立つ場合も、爪が伸びているサインです。

日頃から、運動量や散歩時間などを一定にして生活している場合は、爪が伸びるタイミングも決まってきますので、そのタイミングで切ってあげるのも良いでしょう。ただし、前述のとおり、狼爪(ろうそう)は運動にかかわらず伸びていきますので、月に1回程度のペースで切るようにしてください。

また、トリミングに定期的に通う場合は、一緒に爪切りも行いますので、お家でのお手入れは基本的に不要です。ただし、何らかの事情で、トリミングをお休みしてしまった場合には、爪も伸びてしまうので、その時はご自宅などでお手入れするようにしましょう。

 

■わんちゃんの爪は専用の爪切りを!分かりづらい時はプロに依頼

爪の中の血管まで切ってしまうと出血します。また目には見えませんが、爪の中には血管と一緒に神経も走っているので、ギリギリまで切ってしまうと痛がってしまいます。飼い主さんが爪を切る場合は、血管の少し手前まで残すようにして切ってください。

爪の中の血管は、白い爪の場合ならしっかりと確認することができるのですが、黒い爪の場合は、血管が非常にわかりづらくなります。少しずつ切り進めるようにしてください。

また、わんちゃんの爪を切るときは、専用の爪切りを使うようにしてください。人用の爪切りを使ったり、あるいはわんちゃん用の爪切りでも使い方を間違えたりすると、わんちゃんにとって爪切りという行為が負担になってしまいます。

もし、うまく切れないときや、黒い爪でどこまで切っていいのかわからない場合は、無理せずトリマーさんにお任せすることも一つです。爪切りを嫌がるようになると、次からが大変になりますので注意しましょう。

 

お散歩や運動量によって、わんちゃんの爪切りのタイミングはそれぞれ異なります。伸びてしまうとさまざまなトラブルのリスクがあるので、定期的に爪切りを行うようにしましょう。

爪切りは専用の爪切りを使い、血管や神経を傷つけないように注意してください。難しい場合は、トリミングで切ってもらうようにしましょう。

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【画像】

※ kou, damedeeso / pixta

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