皆さんにとって愛犬の好きなポイントはどこでしょうか。好きなポイントはさまざまあるとは思いますが、誰しもが愛犬の顔が好きだと思います。何でわんちゃんって、あんなにも愛くるしい顔をしているのでしょうか。一方、元々の犬の起源である狼はどちらかというと怖い見た目をしていますよね。
わんちゃんの表情がこれほどにまで可愛らしい理由が、人と犬の長い歴史を経て進化してきたからではないかという研究が、つい最近発表されました。
今回は、犬の表情がどのようにして進化してきたのかということについてお話したいと思います。
■犬は人に合わせることで生き残ってきた
人と犬がともに生活をするようになったのは、3万年以上も前だと言われています。人と犬の絆は非常に強固なものだと言えますが、これは長い歴史の中で、犬が人の生活に合うように進化をしてきたからです。
たとえば、犬種の多様性が進化の例として挙げられるでしょう。犬という同じ種でも、トイプードルのような小型犬からジャーマンシェパードのような大型犬まで大きさはさまざまですし、フレンチブルドッグのような鼻がぺちゃっとした犬もいます。これらの犬種が生まれた経緯としては、その地域に住む人のニーズに合った犬が生き残ってきたとも考えられます。
■人と犬のコミュニケーション方法
犬は、人と最も上手くコミュニケーションをとれる動物といっても過言ではないでしょう。これも人との長い関わりの中で、獲得してきた能力の一つだといえます。
たとえば、犬は話すことはできませんが、しつけをすれば「オテ」や「マテ」などといった人の言葉を理解します。これは言葉によるコミュニケーションといって良いでしょう。ほかにも、飼い主さんが犬を撫でてあげれば彼らは喜びますし、犬も愛情表現の一つとして飼い主を舐めたりします。
このように、人と犬はさまざまなコミュニケーションの形をとっていて、とても親密な関係であると言えます。
■うるっとした「子犬のような目」は進化によるもの!?
犬の起源は狼であるといわれていますが、犬と狼の表情って似ているようで少し異なりますよね。なんとなく、狼の方が少し怖く、犬の方が可愛いらしい表情をしていませんか?
なんと、最近イギリスやアメリカの研究グループが、犬の表情に関する興味深い研究成果を発表しました。その研究の中で、犬の眼の周囲にある一部の筋肉は、狼と比べて明らかに発達していることが分かったのです。この筋肉は、眉毛の内側を動かすために必要な筋肉で、この筋肉を動かすことで目を大きく見せたり、赤ちゃんのような守りたいと思わせる目に見せたりするようです。
また、実際に犬と狼で表情の観察をしてみたところ、狼よりも犬の方が眉毛を動かす度合いが大きく、回数も多かったようです。この研究者らは、犬の表情も人とのコミュニケーションにおいてとても重要な部分で、可愛らしい目を手に入れたのは人との交流によって手に入れたものではないかと仮説を述べています。
別の研究者によると、犬と飼い主さんがお互いに見つめ合うと、身体の中で「オキシトシン」というホルモンが産生されることを発見しました。このホルモンは親密な関係構築をする上で大事なホルモンのようで、人の母親と赤ちゃんが見つめ合ったときにも産生されているそうです。
今回は、どうして犬の表情が狼と比べて可愛いと感じるのかについて、関連する最近の研究を紹介しました。犬の可愛い目は、人と犬の交流の長い歴史の中で手に入れたものだとは驚きですよね。
早速、愛犬の目の形を見てみてはいかがでしょうか? もちろん犬種によっても程度の差はありますが、狼の目とは異なると思います。また、アイコンタクトは人と犬のコミュニケーションの上で大切な役割を果たします。今まで以上に愛犬と見つめ合ってみてはいかがでしょうか。
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【参考】
※ Evolution of facial muscle anatomy in dogs
【画像】
※ Blanscape,Sergius4,Bachkova Natalia,Conrad Attard / Shutterstock
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