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里親になるには?保護犬・保護猫の幸せのために私たちができること~前編~

マルヤマミエコ

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里親になるには?保護犬・保護猫の幸せのために私たちができること~前編~

保健所や動物愛護団体には、里親を求めている保護犬や保護猫たちがたくさんいます。これから保護犬や保護猫の里親になろうと考えている皆さんに向けて、保健所や動物愛護団体から里親さんの元に行くまでの譲渡の流れや、譲渡会についてご紹介します。ペットをどこから迎えるかの選択肢について、ぜひ、ご家族で相談してくださいね。

■年間に殺処分されている犬や猫の数

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出典:https://www.shutterstock.com/

全てのわんちゃんやねこちゃんたちが、住む場所や食べるものに困らず、飼い主さんの愛情に包まれて生活できるのが理想です。しかし、迷子や飼育放棄、ブリーダー崩壊などによって、行き場を失うケースもあることも忘れてはいけません。

環境省が調べたところによると(※1)、平成29年度の飼育頭数は、わんちゃんが約892万頭、ねこちゃんが約953万頭です。

保健所や自治体などに引き取られた頭数は、わんちゃんが約3.85万頭、ねこちゃんが約6.21万頭、合計10.06万頭もいます。そのうち、43%(4.32万頭)が殺処分されていることを覚えておいてください。

 

■犬猫を家族に迎えるまで

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では、殺処分を減らすために、私たちにできることには何があるのでしょうか。

それには、保護犬や保護猫を家族に迎えて大きな愛情で包んで最期まで面倒を見てくれる、「新たな飼い主=里親」を見つけることが最重要課題です。

保健所や自治体、ボランティア団体が中心となり、保護犬や保護猫の里親探しが行われています。里親に譲渡するまでの流れが、環境省のホームページに記載されていますのでご紹介します(※2)。

・里親譲渡までの流れ

犬猫が保健所などに引き取られる→健康チェック・健康管理→適性評価→収容中のケア・譲渡に向けたトレーニング→譲渡希望者の募集→譲渡希望者の調査→事前講習会→マッチング→正式譲渡(犬・猫の引き渡し)→譲渡後のしつけ方教室→譲渡後の飼育相談→追跡調査

これはあくまでも一例です。自治体や団体によっても異なるので、必ずホームページなどで確認するようにしてください。

 

■どんな自治体や団体を選べばいいの?

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自治体や団体によって、活動方針も譲渡の際に里親が支払う費用も違います。活動方針はもちろんのこと、避妊・去勢の手術代、ワクチン、健康管理などに掛かった費用をどれだけ負担する必要があるのかを事前に確認しましょう。

納得のいく説明があれば良いですが、そうではない場合は、別の団体を探されることをおすすめします。

里親を考えているみなさんに、注意してほしいことがあります。無理にわんちゃん・ねこちゃんの里親になることをすすめる、もしくは一人暮らしの高齢者に大型犬をすすめるような団体は、後々トラブルになる可能性があるので避けるようにしましょう。

 

■犬猫の譲渡会について知ろう!

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自治体や保護団体では、保護犬や保護猫を開催場所に連れて行って、里親になりたいと考えている人たちに実際に見てもらう“譲渡会”を開催しています。

自治体や動物愛護団体のホームページには、譲渡会情報の他にも、活動内容や里親さんを待っている保護犬や保護猫の情報(性別、年齢、特徴など)、画像などが公開されています。

里親になりたい人は、まずは近場の保健所や自治体のホームページで、譲渡会の開催日時と場所を確認しましょう。会場に直接行く方法もありますが、保護犬や保護猫の情報を見て気になるコがいれば事前に予約を入れましょう。そうすれば、譲渡会で優先的に説明を受けることができるかもしれません。

 

■里親にはいくつかの厳しい条件がある

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譲渡会で気に入った保護犬や保護猫がいたら、譲渡会を主催している保健所や自治体に里親の申し込みを行います。

ただし、里親になるのは容易ではなく、みなさんが里親としてふさわしいかを見るために、譲渡希望者の調査では面接が行われ、さまざまな質問に答えてもらいます。さらには、譲渡前訪問や飼育後訪問が定期的に行われることもあります。

質問の返答を見て面接に合格したら、次の段階となります。ほとんどの場合、里親候補者が家族に迎えたい保護犬や保護猫を1週間程度預かって面倒を見る、“お試し期間”が設けられています。譲渡会の短い時間ではわからないことも、一緒に過ごす中で見えてくることがあるからです。

そうして、「この子となら仲良くやっていける。最期まで面倒を見てあげたい」と思ったら、自治体やボランティア団体に、正式譲渡を申し込みます。

自治体やボランティア団体にいる保護犬や保護猫は、迷子、飼育放棄、ブリーダー崩壊など、さまざまな理由から保護され、新たな飼い主さんを求めています。里親として責任を持って最期まで面倒を見られる人に託したいからこそ、条件を厳しくせざるを得ないのです。

 

ペットショップやブリーダーだけでなく、里親になるのも、飼い主になる選択肢のひとつに加えてほしいと思います。

 

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【参考】

※1 環境省 - 人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト

※2 環境省 - 保護犬や保護猫の譲渡を考えてみましょう

【画像】

※ marcinm111,Ogovorka,Adil Celebiyev,Evgeniy Kurt,FannyF, Chatchai Kritsetsakul / Shutterstock

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