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【獣医師執筆】犬の睡眠時間は◯◯時間!犬の睡眠メカニズムと寝ているときの注意点

吉本翔

獣医師
吉本翔

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【獣医師執筆】犬の睡眠時間は◯◯時間!犬の睡眠メカニズムと寝ているときの注意点

20201222日情報更新

ぐっすりと寝ている犬の姿はとてもかわいいですよね。私たち人間からしてみると、犬は毎日たくさん寝ているように感じませんか? それでは、犬は実際に1日あたりどのくらい寝ているのでしょうか? また、人間よりも睡眠時間が長いのはなぜでしょうか。

今回は、犬の平均睡眠時間や睡眠時間に影響を与える因子、睡眠のメカニズムなどについて解説します。

■犬の平均睡眠時間

犬の睡眠時間は◯◯時間!犬の睡眠メカニズムと寝ているときの注意点
出典:https://www.shutterstock.com/

成犬の1日あたりの平均睡眠時間は1214時間と言われています。平均的な人間の睡眠時間は7〜8時間ですので、犬は人間よりもかなり長く寝ているようですね。ただし、この平均睡眠時間は、以下に挙げるさまざまな要因によって大きく異なります(※1)。

・年齢

子犬は、成犬以上にエネルギーを消費してしまうため、回復のために成犬以上の睡眠時間が必要です。そのため、1日当たりの睡眠時間は18時間を超えてもおかしくないそうです。また、老犬も日常生活で疲れやすいため、睡眠時間は長くなる傾向にあるそうです。

・犬種や活動レベル

大型犬は、小型犬よりも睡眠時間は長い傾向にあるようです。また、雪ぞりを引くシベリアンハスキー、警察犬として働くドーベルマン、牧羊犬として働くボーダーコリーなど、人間の仕事を手伝う犬は長期間の活動が求められるため、睡眠時間は短い傾向にあるといわれています。

・生活環境の変化

犬は、元々の環境にしっかりと慣れてしまうため、もしも引っ越しなどで急激に生活環境が変わった場合、睡眠時間が長くなる傾向にあるようです。その理由は、しっかりと身体を回復するために、追加で時間が必要となるからだそうです。

・健康状態

睡眠時間は、健康状態によっても左右されます。明らかに睡眠時間が長くなった場合、何らかの異常を持っている場合があります。うつ状態、糖尿病、甲状腺機能低下症などでは、睡眠時間が過剰になることがあるそうです。

■犬にもレム睡眠・ノンレム睡眠がある?

犬の睡眠時間は◯◯時間!犬の睡眠メカニズムと寝ているときの注意点
出典:https://www.shutterstock.com/

耳にしたことがある方は多いと思いますが、人間の睡眠はレム睡眠とノンレム睡眠という2つの睡眠があると言われています。

レム睡眠は、身体が眠り(力が抜けている状態)脳が起きている状態です。一方、ノンレム睡眠は、脳が眠り身体が起きている状態(寝返るなど身体を動かすことができる)。睡眠開始直後にノンレム睡眠が始まり、レム睡眠へと移行します。ノンレム睡眠とレム睡眠は、約90分のサイクルで4~5回繰り返されるとされます(※2)。

犬でも人間と同じように、レム睡眠とノンレム睡眠があるとされます。しかし、異なる点としてはその割合です。人間の場合、ノンレム睡眠が約75~80%、レム睡眠が残りの20~25%であるとされます。一方、犬では、人間よりもノンレム睡眠の割合が圧倒的に多いとされています。犬の睡眠時間が人間の睡眠時間より長い理由として、レム睡眠の時間を十分に得るために、総睡眠時間を長くする必要があるからだと考えられています(※1)。

 

■犬に睡眠不足はある?寝ているときに気をつけたいこと

犬の睡眠時間は◯◯時間!犬の睡眠メカニズムと寝ているときの注意点
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私たち人間からみると、犬は毎日たくさん寝ているように感じます。しかし、睡眠時間が長いのは、脳(ノンレム睡眠)と身体(レム睡眠)をしっかりと休める必要があるからです。 

睡眠のサイクルは、ノンレム睡眠から始まり、やがてレム睡眠へと移行していくと言われていますが、犬は眠りが浅くちょっとした物音でも起きてしまいます。そのため、レム睡眠に到達する前に目覚めてしまうことが多く、レム睡眠(=身体の休息)が不足しがちになってしまいます。

総睡眠時間を長く確保してあげることも一つですが、犬が寝ているときはなるべく起こさないように配慮してあげることが重要です。

今回は、犬の睡眠についてお話しました。犬の睡眠メカニズムは、人間と基本的には同様ですが、ノンレム睡眠とレム睡眠の割合など一部異なる点も存在します。犬の平均睡眠時間が長いのは、きちんと脳と身体を休めるためです。むやみに犬を起こすことは、その休息を邪魔してしまうことになりますので、寝ているときはそっとしてあげましょう。

また、睡眠時間が急激に変化したときは何らかの異常が隠れている可能性があります。その他の症状がないかも含め、もし異変に気付いた場合には動物病院に行くことも検討してみてくだいね。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

※1 "Why Do Dogs Sleep So Much?”AMERICAN KENNEL CLUB

※2 健康の科学 日本医師会

※3 いいお医者さんネット

【画像】

※ Kuznetsov Alexey,Benevolente82,dezy,Surachet Meewaew / Shutterstock

   

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