※2023年7月21日情報更新
「猫は魚好き」というイメージはありませんか? ねこちゃんと魚を同じ部屋にすると、食べてしまうのでは……とお考えの飼い主さんもいらっしゃるかと思います。ねこちゃんと熱帯魚を同じ部屋で飼育することはできるのでしょうか。筆者の考えをお話しいたします。
■猫は本当に魚が好き?
”猫は魚好き”というイメージは、人の食料事情から来ていると考えられます。野生の小型ネコ科の動物たちは、ネズミなどの小さな哺乳類、小鳥、虫、トカゲなどを捕食すると言われています。日本人は海に囲まれた国で生活しているので、昔は蛋白源として肉よりも魚介類を中心に食べていました。その残りをねこちゃんに与えていましたので、”猫は魚好き”というイメージが定着したのだと考えられます。
現在でもカツオ味、マグロ味などのキャットフードが多数あり、ねこちゃんも好んで食べることが多いのですが、ねこちゃんは本来魚を捕獲して食べていたわけではありません。
■注意すべきは猫の「狩猟本能」
ねこちゃんは小さな動物の動きを、視覚と聴力で敏感に感じとります。窓の外のスズメやテレビに映るサッカーボールの動きを見つめるねこちゃんもいますよね。
水槽の中で泳ぐ熱帯魚の動きを見ても、狩猟本能が刺激されると思います。水槽のガラス面に向かって前足を伸ばしたり、フタがなければ前足を突っ込んだりするかもしれません。特に若くて好奇心の旺盛なねこちゃんは、強い興味を示すことでしょう。家で十分な食事を与えられているねこちゃんは、獲物を捕らえても食べずに終わることも多いようです。
本来のねこちゃんの餌や狩猟本能については、「愛猫が虫をムシャムシャ…止めるべき?猫が虫を食べる理由と注意したい危険な虫」でも解説しています。
■猫と魚の同居において家庭で注意すること
もし、ねこちゃんと金魚や熱帯魚を同時に飼育する場合は、下記の点をご注意ください。
・水槽は水を入れたときにねこちゃんが倒すことができない大きさ、重量のものを選び、平らな安定する場所に置きましょう。
・水槽にはねこちゃんが足をつっこんだりできないようにフタが必要です。ねこちゃんが上に乗っても壊れない材質を選び、ずれないように工夫しましょう。ねこちゃんはちょっとした隙間を見つけて目的を追求するかもしれませんよ。
・ねこちゃんが、ヒーター、ろ過器、照明などの複数の電源コードで遊んだり、コンセントから抜いたりしてしまうと危険です。コードでいたずらしないように保護しましょう。
・水換えの時は、部屋にねこちゃんを入れないなどの注意も必要です。ちょっとした油断が危険につながる可能性もあります。
ねこちゃんと熱帯魚と同じ空間で暮らすには、それなりの準備と気遣いが必要。十分すぎる程の事故防止対策を取り、人もねこちゃんも熱帯魚もお互いに癒される日常生活を送ることができるといいですね。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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【参考】
※ 石田卓夫監修(2010)『もっと知りたい!ねこの気持ち : 何気ないしぐさにも、深いワケがあった!: ねこはあなたの知らない間に何をしているの?(雑学3分間ビジュアル図解シリーズ)』PHP研究所
【画像】
※ Fesus Robert,Sergio Sergo,976photo Studio,Madhourse / Shutterstock
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