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【獣医師執筆】「チワワ」ってどんな犬?一緒に暮らす前に抑えておきたいポイントとは

西原克明

獣医師
西原克明

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【獣医師執筆】「チワワ」ってどんな犬?一緒に暮らす前に抑えておきたいポイントとは

チワワは近年、日本では常に人気犬種の上位にランクインしている犬種です。小さい体に大きな瞳で、わんちゃんの中でも愛らしさがダントツで、多くの人々を魅了しています。

今回はそんなチワワについて、その犬種の体格や被毛、性格などの特徴をお伝えします。チワワをお家に迎えたいと考えていらっしゃる方のご参考にしていただければと思います。

■チワワってどんな犬?

チワワという名前はメキシコの地名に由来しており、メキシコが原産と考えられています。一般的な犬種の中では世界最小と考えられていて、ジャパンケンネルクラブ(JKC)の基準では、平均体重が1.5kg~3kgが理想とされています。

ただしこの基準はあくまでJKC独自の基準であり、それ以外の体重になるとチワワで無くなるということではありません。実際に筆者の動物病院に来院するチワワの中には体重が1kg程度しかない個体から、5kgを超える大きめのチワワもいます。

もちろん太らせた結果として体重が増えているのは好ましくありませんが、標準的な体型の場合は、チワワに限らずどの犬種でもある程度の体重差はあります。稀に小型のチワワを希望される方が、なるべく体を大きくしないよう、成長期に食事制限を考える場合があります。

しかし、残念ながら食事制限で体型の調節はできません。それどころか、栄養的な障害が発生することがあるので、決して成長期の食事制限は行ってはいけません。わんちゃんそれぞれの個性として見てあげるようにしましょう。

 

■チワワの被毛の特徴について

出典:https://www.shutterstock.com

チワワの被毛は大きく分けて2種類あります。長いフワフワした被毛が特徴のロングコート・チワワと、短く艶のある毛が特徴のスムースコート・チワワです。どちらが良いかは完全に飼い主さんの好みになります。

もちろんロングコートは長い毛が絡まないように、日々のブラッシングや定期的なトリミングなど、お手入れは必須です。ただし、スムースコートも抜け毛は多いため、まったく手がかからないという訳ではありません。

毛色については、非常にバリエーションが多く、様々な毛色のチワワが存在します。

 

■小さいけれど物怖じしない性格

チワワの性格的な特徴ですが、一般的には他の犬種と比較して積極的で、自分よりも体格の大きいわんちゃんや知らない人にも物怖じせず、コミュニケーションを取ることができます。しかし、警戒心も強いため、緊張すると攻撃的になることがあります。

ただし、わんちゃんの性格については、一般的な犬種としての特徴はあるものの、やはり一頭一頭の個体差も大きく、筆者の経験では、非常に穏やかな性格のチワワもたくさん見かけます。また、最初は警戒心が強かったチワワが、トレーニングや上手なコミュニケーションによって、とても大人しくなったケースも経験しています。

このように、チワワのような多少警戒心が強い犬種は、飼いづらいイメージがありますが、上手にトレーニングすることで、十分に楽しく暮らすことは可能です。また、基本的に室内飼育になりますので、室内には安心して休めるハウスやトイレを準備してあげてください。

お家の環境整備も含めて、ぜひドッグトレーナーさんのアドバイスをもらい、トレーニングを進めるようにしてください。

 

■チワワはどんな病気にかかるの?

出典:https://www.shutterstock.com

チワワに見られる病気については、脳の病気である“水頭症”が有名ですが、そのほかにも心臓や関節、皮膚、眼、神経、気管など、様々な部位での病気が報告されています(※)。

これらの病気は生まれつき見られるものもあれば、成長するにつれて発症する病気もありますので、飼う前からすべての病気をチェックするのはなかなか困難です。

また、チワワに限らず犬種に特徴的な病気は存在しています。“犬種”というのは、自然の中で進化・分化したものではなく、人間の手で作られたものです。したがって、それぞれの犬種は、見た目や機能的に様々な特徴を持つと同時に、遺伝的な病気なども併せ持ってしまっていますので、純血種を飼うときには、しっかりとその犬種で見られる病気も知っておくことが重要です。

もちろん、すべての病気を発症するわけではなく、元気に寿命を全うするチワワも多くいます。病気に対して極端に心配する必要はありませんが、定期的に動物病院の健康診断を受けるなどして、隠れた異常があれば早めに見つけてあげることも大切です。

また、“歯周病”はどの犬種でも多く見られる病気ですが、特にチワワのような超小型犬では、歯並びや噛み合わせに問題があることも多く、より歯周病のリスクが高い犬種と言えます。なるべく歯周病を進行させないためにも、普段からこまめなデンタルケアに取り組むことも考えてあげてください。

 

チワワは様々な犬種の中でも最も小さい犬種ですが、活発な子も多いため、ぜひ専門的なトレーニングを取り入れ、日常生活でのアクシデントを予防してあげましょう。

また、犬種に多い病気も様々報告されています。さらには歯周病のリスクも高い犬種と言えますので、日ごろからの健康管理とデンタルケアを積極的に取り入れることが重要です。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考・画像】

※ Alison Thomas(2004)"Breed Predispositions to Disease in Dogs and Cats" Blackwell Publishing

※ Cressida studio, Volodymyr Burdiak, Benevolente82 / Shutterstock

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