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【獣医師執筆】愛犬の目の中に入ったゴミ!家庭でできる対処法と受診すべき状況を解説

船田治子

獣医師
船田治子

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【獣医師執筆】愛犬の目の中に入ったゴミ!家庭でできる対処法と受診すべき状況を解説

※2023年4 月18日情報更新

私たちは急に目がごろごろしたりちくちくしたりすると、目にゴミが入った!と言って、目を洗ったり目薬を差したりしますよね。

犬や猫の目にもゴミが入ることはあります。では、言葉を話せない犬や猫は、目の異常をどう表現するのでしょうか。筆者がよく飼い主さんに説明する症状や対処法などについて説明いたします。

■犬や猫の目に入る異物は?

犬の目にゴミが入った!家庭でできる対処法と受診すべき状況を獣医師が解説
出典:https://www.shutterstock.com/

(1)ほこり、砂粒やシャンプーなど

犬や猫は、人よりも地面や床に近いところで生活していますので、ほこりや砂粒、草の種などが目に入りやすいと言えるでしょう。また、シャンプーなども目に入ると刺激を与えることがあります。

(2)抜け落ちた毛や被毛など

犬や猫も、まつ毛の異常や眼瞼内反症などにより、いわゆる"逆さまつ毛”の状態になることがあります。また、犬種によっては、顔にある被毛の先が目に入ることがあります。ヨークシャー・テリアやビアテッド・コリーなどの目の上の伸びた被毛や、パグやペキニーズなど短頭種の鼻の皺の被毛が例として挙げられます。

 

■目に異常を感じた時にする犬の行動

目を隠している犬の写真
出典:https://www.shutterstock.com/

犬や猫の瞬きや涙が急に増えたり、眩しそうに目を細めたり、前肢で目を引っかくような仕草を始めたなら、目に異物が入った可能性があります。目を床にこすりつけることもあります。両目に症状が出ることもありますが、片目のみの場合が多いと思います。

異物が長く眼内に存在すると、結膜が充血したり浮腫をおこしたりする結膜炎だけでなく、角膜炎を起こす可能性があります。角膜に傷がつくと痛みが出るので、犬や猫は気にして前足で目をこすり、更に傷つけてしまうことがあります。

■家庭でできる対処法

犬の目にゴミが入った!家庭でできる対処法と受診すべき状況を獣医師が解説
出典:https://www.shutterstock.com/

まずは、目の中に異物が入っていないか確認しましょう。犬猫の上まぶた(上眼瞼)を引き上げ異物の存在を確かめます。次に、下まぶた(下眼瞼)を引き下げて同様に調べましょう。

異物が確認できれば、ぬるま湯や刺激のない犬猫用の点眼薬を使って洗い流すようにしましょう。

ヨークシャー・テリアやビアテッド・コリーなどの犬種は、目の上の被毛が伸びて目に入らないように、結ぶか短めにカットすることも勧めています。

 

■動物病院を受診したほうがよい場合

犬の目にゴミが入った!家庭でできる対処法と受診すべき状況を獣医師が解説
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(1)家庭で対処しても、症状が治まらないとき

原因は目に入ったゴミだけではないかもしれません。目の病気は、すぐに命には関わらないものが多数あります。しかし、治療が遅れると、失明につながることもありますので診察を受けましょう。

(2)異物が眼結膜や眼球に刺さっているとき

無理に抜かずにそのまま目をタオルで覆ったり、エリザベスカラーを持っていれば装着したりして、犬や猫が前足で目を引っかかないように急いで動物病院に運びましょう。

(3)他の症状とともに目に症状が出ているとき

犬のジステンパーウイルス感染症や、猫のウイルス性呼吸器感染症など、全身性の病気が原因で目に症状が現れることがあります。目やにが増えるなどの症状は、通常両眼に見られます。全身症状に対する治療と、目の治療が必要です。

(4)自分の顔の被毛が頻繁に目に入るとき

逆さまつげの状態が持続する場合や、短頭種の犬などで被毛が頻繁に目を刺激する場合は、動物病院で治療法を相談してください。外科的処置が必要な場合もあります。

目のゴミは家庭で対処できるものもありますが、目の異常は重篤な病気のサインであるかもしれません。飼い主さんは日常的に犬や猫の目をよく観察しましょう。もし、犬や猫が目の異常を現した場合は、大丈夫だと過信せず、動物病院を早めに受診しましょう。

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※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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【参考】

ブルース・フォーグル著 武部正美監訳(2003)『犬の家庭医学百科』ペットライフ社

【画像】

※ Vera Reva,GCapture,WilleeCole Photography,goodluz,wavebreakmedia / Shutterstock

   

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