飼い主さんに赤ちゃんが産まれ、家に迎えたとき、わんちゃんにとっては生活環境が一変してしまうことになります。それに適応できないわんちゃんは、問題行動を起こすようになったり、中には赤ちゃんに対して攻撃的になったりするケースがあります。
そこで、今回はわんちゃんが赤ちゃんに嫉妬するようになったときの対処法について、筆者の考えをもとにお伝えします。
■犬の嫉妬として考えられる原因

わんちゃんが赤ちゃんに嫉妬するのは、実は様々な原因があります。そして、それは赤ちゃんをお家に迎える前からの生活環境に大きな影響を受けています。
たとえば、
・生後8週齢まで母犬や兄弟犬と過ごせていたか
・「マテ」「フセ」など、一般的なしつけができていたか
・夜寝るとき飼い主さんと一緒に寝ていたか
・他人や他のわんちゃんと仲良くできていたか
・屋根付きのハウスなど、家の中でも落ち着ける場所で休めていたか
・大人しく留守番ができていたか、留守番のあと、どのように接していたか
・しつけ的にも体力的にもお散歩をコントロールできていたか
などなど。
こういった生活習慣の中に、わんちゃんの性質に影響を与えるものが多くあります。
日常生活の中で、飼い主さんにすっかり依存してしまっているわんちゃんでは、飼い主さんが赤ちゃんに時間を取られることで、不安が強くなっているのかもしれません。
逆に、常に家の中でも落ち着きがないわんちゃんでは、赤ちゃんのお世話にてんやわんやしている飼い主さんを見て、その原因である赤ちゃんを何とかしようとしているのかもしれません。
したがって、わんちゃんの赤ちゃんへの嫉妬を改善するには、赤ちゃんを迎える前に、しっかりとわんちゃんと人間の関係をチェックし、必要に応じて見直すことが理想です。もちろん赤ちゃんを迎えた後でも手遅れではありませんので、まずは日常生活を振り返り、わんちゃんと家族との関係性をしっかりと確認するようにしましょう。
■犬と人の信頼関係を築くための最善策は?

わんちゃんが赤ちゃんに嫉妬するのは、日常生活の中で、飼い主さんとわんちゃんとの間に「適切な信頼関係」が築けていないことがほとんどです。したがって、わんちゃんと赤ちゃんの関係性を改善するには、まずは飼い主さんとわんちゃんとの信頼関係を築くことが重要です。
そのために最も有効な方法は、いわゆるしつけトレーニングです。ただし、そのトレーニング方法もわんちゃんの性格はもちろん、飼い主さんの性格、家族構成、留守番時間の長さ、ご近所の環境などによって適切なトレーニング方法は異なります。さらには、赤ちゃんのお世話もしながら、わんちゃんもトレーニングするのは本当に大変ですから、現実的にできることには限界があるかもしれません。
赤ちゃんもわんちゃんも、飼い主さんがいないと生きていくことはできません。まずは飼い主さんご自身が無理をしない範囲で、わんちゃんとの信頼関係づくりをしていくことが重要です。
■専門家に相談するのが良い理由と選び方

そのためにオススメなのが、ドッグトレーナーさんに相談することです。ドッグトレーナーさんは、わんちゃんのしつけに関する知識はもちろん、各ご家庭の環境に合わせたトレーニング方法をたくさん持っています。そのノウハウを教わることで、短時間でしっかりと赤ちゃんとわんちゃんとの関係性を改善することができます。
ドッグトレーナーさんにも様々なタイプがありますが、筆者個人の経験では、あなたのご自宅まで出張してくれる、そして家庭環境をしっかりとチェックした上でトレーニング方法を組み立ててくれるトレーナーさんをお勧めしています。
■犬の体調や病気にも気をつけて!

わんちゃんと赤ちゃんが接するときは、嫉妬などわんちゃんの問題行動だけでなく、感染症やアレルギーなどいくつかの問題もあります。そういった問題を防ぐ意味でも、わんちゃんと赤ちゃんの関係性をしっかりと良くする必要があります。また、わんちゃんの体調不良によって引き起こされる問題行動もあります。嫉妬を含めた問題行動を防ぐには、定期的な健康診断も重要になります。
わんちゃんが赤ちゃんに嫉妬するのは、生活環境やわんちゃんの性格などによって原因が異なります。したがって嫉妬を改善させるためには、日常生活でのわんちゃんとの関係性を見直す必要があり、具体的なノウハウを持つドッグトレーナーさんに相談することをお勧めします。
※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。
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