わんにゃとの暮らし

【獣医師執筆】いつになったら必要?愛犬がおむつを始めるべきタイミングとおむつの選び方

菊池亜都子

獣医師
菊池亜都子

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【獣医師執筆】いつになったら必要?愛犬がおむつを始めるべきタイミングとおむつの選び方

わんちゃんにはいつまでも元気でいてほしいと願いながらも、気づくとあっという間にシニアと呼ばれる年齢になってしまいます。

つい最近まではきちんとトイレで排泄をしていたのに、ある日突然トイレ以外の場所で粗相をするようになってしまったり、粗相をしないまでも排泄がおぼつかなくなってきたりすると、おむつをした方がいいのかどうか悩んでしまう飼い主さんもいらっしゃることでしょう。

今回は、シニアになったわんちゃんがおむつを必要とするタイミングの目安や、快適におむつ生活を送るためのヒントを紹介させていただきます。わんちゃんが元気な場合でも、そのときになって慌てずに済むように、あらかじめ知識をつけておくとよいかもしれません。

■わんちゃんにおむつが必要になるのはどんなとき?

いつになったら必要?愛犬がおむつを始めるべきタイミングとおむつの選び方
出典:https://www.shutterstock.com/

シニア期のわんちゃんにおむつが必要となるのは、やはり排泄のコントロールがうまくいかなくなったときでしょう。トイレ以外の場所で粗相をすることなどなかったわんちゃんが、自分のベッドで排泄してしまったり、トイレに行く途中で間に合わずに排泄してしまったり……これらの様子が見られるようになったら、おむつの着用を考えるタイミングかもしれません。また、年齢に関係なく、病気やケガなどで突然必要になることもあります。

 

■まずは短時間の着用から練習する

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粗相をするようになったからといって、いきなりおむつを着用させてしまうと、おむつに慣れていないわんちゃんは着用自体がストレスになってしまいます。そうならないためにも、シニア期といわれる年齢を迎え、足腰が少し弱くなってきたと感じた段階で、少しずつおむつを着用する練習を始めることをおすすめします。

最初は、着用したらおやつをあげながら褒め、すぐに外してあげることを繰り返します。そして、少しずつ着用する時間を延ばしていきます。その都度、褒めてあげることを忘れないようにしましょう。こうしておむつを着用することに慣らしておくことで、本当におむつが必要になったときに受け入れやすくなります。

 

■快適なおむつ生活を送るために気をつけること

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おむつを使用する際は、こまめに取り換えてあげることが大切です。排泄後は、必ず交換してあげてください。

最近のわんちゃん用おむつは吸水性や通気性が良く、排泄後でもサラッとしているものが多いのですが、排泄後は少なからず違和感を感じるでしょうし、何といっても不衛生になってしまいます。そして、交換する際には、しばらくおむつを外した状態で空気に当ててあげましょう。このときに、いつもおむつが当たっている足の付け根の部分がすれて赤くなっていないかなどをチェックし、同時に被毛のお手入れなどをしてあげるのもおすすめです。

わんちゃんと飼い主さん両方の負担を軽減するためにも、事前におしりの周りの毛を短くカットしておいてもいいですね。特にシニアのわんちゃんや、病気やケガなどでおむつを使用しなくてはいけないわんちゃんの場合、こまめにシャンプーしてあげることが難しいケースもあります。なるべく衛生状態をよくするために、汚れやすい部分の毛を短くしたり、おむつを着用しない時間を作ったりするようにしましょう。

 

■おむつの賢い選び方

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わんちゃん用のおむつはペットショップやネットショップで手に入れることができますが、既製品ではサイズがうまく合わないことがあります。また、排泄するたびに交換しなければならないため、経済的な負担も大きくなります。

飼い主さんの中には、人用のおむつを利用する方も多いようです。わんちゃん用のおむつと比べると、人用のおむつはかなり安いので、費用の負担を大きく軽減することができます。

人間用のおむつを使う場合は、パンツタイプではなくテープで止めるタイプのものをわんちゃんの体格に合わせて選びましょう。小型犬や中型犬であれば人間の赤ちゃん用のおむつを選び、大型犬であれば人間の大人用介護おむつを選ぶといいでしょう。しっぽの通り道を作るために人間用のおむつに穴を開ければわんちゃん用として利用できます。この際、中の高吸水性ポリマーが出てきてしまうのでテープを貼るなどして工夫してみてください。

また、どうしてもおむつが脱げてしまうというときに使えるのがサスペンダーです。サイズの調節機能があるので、適切な位置に調節しておむつを固定することができます。

 

いかがでしたか?

愛犬がおむつを必要としたとき、わんちゃんがどうすれば一番快適かを考えてあげてください。そうすることで、飼い主さん自身のストレスや負担の軽減にもつながると思います。

また、困ったときや悩んだときには、お一人で抱え込まず、かかりつけの獣医師さんにぜひ相談してみてください。

 

※ 本サイトにおける獣医師および各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。また、獣医学の進歩により、常に最新の情報とは限りません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、獣医師や各専門家より適切な診断と治療を受けてください。

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